松下洸平が「豊臣兄弟!」徳川家康役語る「ただのヒールではない」9カ月前の複線回収には感心

「豊臣兄弟!」で徳川家康を演じる松下洸平

NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で、徳川家康役を演じる俳優松下洸平(39)が、25日までに都内で取材会を行った。今作の主人公豊臣秀長(仲野太賀)、その兄の秀吉(池松壮亮)とは、1年間続く作品を通じて、関わりの大きな存在。その家康をどのような思いで演じてきたのか-。25日放送の第41回「家康の野望」で、それまでの対立構造から、豊臣家の臣下となる様子が描かれた。そんな家康の思いを代弁するように語った。

松下 家康は、ひょうひょうとしていて、どこかつかめない、腹の底の見えない存在ではあると思うのですが、その裏には、家康の幼少期などを紹介した第34回で丁寧に描いていただいたようなことがあります。悔しい思いを、たくさんしてきて、そこを経てだったので、ああいう感じなんだなと。自分の手で妻や子どもを殺さなくてはいけなかったとか、人質時代があったとか、いろいろ悲しい過去があるのは知っていましたけど、実際、演じてみて(視聴者にとって)憎みきれない存在になってくれるといいなと思いながら演じていました。訳あって、あの家康というのがあるというは、第34回とか第35回の台本を読んで思いました。ただのヒールではない、どこか憎めない存在でいてほしいなと思いながら演じています。

秀長と秀吉のことは、どのような存在と思って演じたのか。

松下 あの2人は、家康の人生には存在しなかったキャラクター。だからこそ非常に扱いにくかったと思いますし、どう接するべきか、どう戦うべきか、非常に頭を悩ませた存在だったと思います。それほどまでに、あの2人が本当に魅力的だった。後に秀吉が亡くなった時、徳川家康は、その死を目の当たりにして、涙を流したという話をうかがったことがあって。それほどまでに、秀吉という存在を心酔していたんだろうなと思います。家康にとって秀吉というのは、とても尊敬に値する人だったんだろうなと思います。あの2人は、どこまでもピュアで、どこまでもまっすぐ。その熱意に(第5回で兄弟に向けて)自分が言ったセリフが返ってくる。「熱意が人を動かし、勝敗を決する」。当時、彼(家康)は「(本心と)真逆のことを言った」と言いましたが、それが兄弟に響いて、最終的には自分にブーメランのように返ってきて。彼らの熱意に家康が動かされるという、おもしろい構図ができあがったなと思います。

「熱意が人を動かし、勝敗を決する」。2月1日放送回で、当時の松平元康が藤吉郎、小一郎兄弟に言った言葉が、9カ月近くも経過した第41回で伏線回収される構図に感心していた。同時に「もっとカッコ良く言えばよかったな(笑い)。こんな感じで、また出てくるとは思ってないですから」と言って、笑いを誘った。

第41回で秀吉の臣下となったが、これまでの言動から、本当に秀吉に従うつもりなのか、疑問視する視聴者が多いのは理解しているようだ。「この時点で、本心から臣下となると決意したと考えていいのか?」と、問われると、松下は笑顔で話した。

松下 考えていただいて、いいと思います。ただ、完全に豊臣の支配下の中にはいつつも、やはり家康の中には、彼なりの野望が全く消えたわけではないと思います。それでも、あの2人(秀長、秀吉)をリスペクトしているということに関しては真実だと思います。これまで、たくさんウソをついてきたので、僕がどれだけ頭を下げても、視聴者の皆さんが信じてくれないんじゃないかという不安はあります。

歴史上、家康は今作の主人公豊臣秀長(仲野太賀)、その兄の秀吉(池松壮亮)が亡くなった後に江戸幕府を開く。その様子は「豊臣兄弟!」がタイトルの今作では描かれない見通し。それでも、家康の天下統一を演じてみたいか問われた松下は「そうですね。せっかく、ここまでやってきたので、もしも、そういう機会があればとは思っています。大人の方々…」と、NHK関係者の方を見渡し、笑いを誘っていた。