読売テレビは19日、夏の恒例番組「Iwataniスペシャル鳥人間コンテスト2026」に出場した東北大のチーム「Windnauts(ウィンドノーツ)」に飛行禁止区域に進入する危険行為があったとして、「次回大会への出場停止処分」の罰則を科した上で、執行猶予期間を設けることを、番組サイトで明らかにした。
同局は「鳥人間コンテスト大会実行委員会」の名義の声明を公開。「『鳥人間コンテスト2026』で次のチームが行った危険行為に対して処分を行います。東北大学Windnauts(人力プロペラ機部門出場)」と告知した。
東北大学Windnautsは27日、公式Xアカウントでこの件に言及し「改めて弊部の事故により、大会運営に多大なるご迷惑と応援していただいている皆様にご心配をお掛けしましたこと、心よりお詫び申し上げます。弊部は今回の執行猶予付きの出場停止という処分を厳粛に受け止め、事故の原因とこれまでの機体製作・運営体制における課題を真摯に見直し、再発防止に向けた取り組みを進めております」と記した。
そして28日の更新では「OBの方のご協力のもと、2026年のフライトに関する調査・分析を実施し、事故調査報告書を公開いたします。本報告書の公開は9月中を予定しておりましたが、公開が遅くなりましたことをお詫び申し上げます」「事故に至った経緯や要因を検証するとともに、今後の再発防止に向けた課題を整理いたしました。本報告書を通じて、事故の経緯および調査・分析の結果を皆様にご報告するとともに、今後の活動における安全管理の改善に努めてまいります」と記し、36枚にわたる詳細な「重大インシデント調査報告書」をアップした。
報告書は「調査経過」「認定した事実」「気象」「風況」「飛行の分析」「原因」「確認不足に至る経緯」「操縦に関する癖」「着水手順の検討」「再発防止策」など多くの項目から多角的に分析し、グラフや画像データなどを多数添付しつつ、記されている。
「原因」の項目では「本事案において問題となったのは、以下の2点である。A.通常経路を逸脱したこと B.逸脱の認知後、対応が遅れたこと」「またこれらを引き起こした要因は ◎機体の窓について設計不備があり、視界不良であったこと ◎パイロットが多景島を確認せず飛行していたこと 〇発進前後、パイロットの意図に反して左舵が切られていたこと 〇発進後、直進を続けていると誤認したこと 〇翼のねじり下げによって、操縦性を失ったこと の5点である」などとつづられており、それぞれ詳しく解説されている。
ちなみに読売テレビの発表では、危険行為の内容については「プラットホームから離陸後左旋回して飛行禁止区域への接近行為を行ったばかりか、飛行禁止区域に進入しました。パイロットに義務付けられた危険回避行動の遅れから、着水した地点は陸地が目前に迫る水域でした」と説明。処分について「すでにこのチームに対しては、大会規約13項e2『安全に対する義務や配慮を怠った』として大会規約14項bの罰則『本大会の失格処分』を科しています。それに加えて今回改めて大会規約cの罰則『次回大会への出場停止処分』を科します。ただし執行猶予期間を設け、今後当分の間においてさらに同様の危険行為があった場合に『出場停止処分』とします。なお『今後当分の間』とは大会実行委員会が期間の終了を認めるまでとします」としている。
鳥人間コンテストは読売テレビの制作で、自作人力飛行機による飛行距離および飛行時間を競う大会で、例年7月に滋賀・琵琶湖周辺で開かれる。1977年にスタートし、今年が第48回だった。人力プロペラ機部門と滑空機部門に分かれ、東北大Windnautsは24年など複数の大会で優勝している。