<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
歌舞伎俳優坂東玉三郎がこのほど、自ら監修した「坂東玉三郎舞踊集4KリマスターBlu-ray BOX」の発売記念トーク付き上映会に出席した。
「京鹿子娘道成寺」「鏡獅子」など、約30年前の舞台映像を、玉三郎が監修し4Kデジタル修復を行った。
玉三郎は、撮影当時を振り返り「まだまだ大先輩がいる時代。(踊りを)フィルムに残すなんて、恥ずかしかったし、おこがましい、せんえつことだと思ったんです。でも、若いころから踊ってきて、今じゃなきゃだめだなと芯から思ったんです」と話していた。
「鏡獅子」の撮影には映画用の撮影カメラが12台も入り、様々な角度から舞台を撮影している。玉三郎によると、ちょうど、松竹の男はつらいよ」シリーズの撮影がない月だったため、カメラが大集結したとか。
トークショーはこんな裏話が満載で、観客は盛り上がった。発売まではさまざまな“戦い”があったことも明かした。
まず、映像の修復作業について。玉三郎は「映像を確認し、色を直し、音を直す作業を試写室でやりました。(今年の)5月、7月はほとんどやってましたね。映像は根気ですね。見てるとここ(ひたいの近く)が熱を持って大変です」と話し、試写室で見た時と、家庭のBlu-ray再生機で見た時の差が出ないようにという注意も払ったとした。
松竹の担当部署との交渉も明かした。「先行予約の方にはサイン入りのハガキを、ということでしたが、締め切りが9月初旬。12月2日に発売なのに9月初旬に(特典付き先行予約を)締め切るっておかしいなと思って、12月1日までにしてもらいました。だっておかしいじゃない」と笑わせた。
撮影から30年ほどたち、フィルムも劣化しはじめていたという。デジタルリマスター化という機会を得たことで、フィルムを洗い直すことができて良かったことも語っていた。
玉三郎は「来年、第2弾を出すことになりました」とし「船弁慶」「紅葉狩」などの映像化について語り、観客から期待の拍手を受けていた。【小林千穂】