中村雅俊の音頭で岡田奈々に「奈々ちゃ~ん」と小さく唱和させていただいた「俺たちの旅」公演

熱唱する中村雅俊

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

<歌詞>人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり と舞い踊っていたのは、少年隊だったか、三浦大知だったか。そんなことを考えながら、10月29日に東京国際フォーラムで開かれた「The 51th Anniversary俺たちの旅スペシャルコンサート」に足を運んだ。1975年(昭50)に放送された、中村雅俊さん(75)主演の日本テレビ系連続ドラマ「俺たちの旅」の出演者withシンガー・ソングライター小椋佳さん(82)によるコンサートだ。

一口に50年というが、戦国時代だったら人の一生、現代だったら中学生がサラリーマンになり定年・嘱託再雇用契約を終えるくらいの長さだ。雅俊さんは文学座から74年に俳優デビューして、日本テレビの主演連続ドラマ「われら青春」の主役のラグビー部顧問・沖田俊役に抜てき。挿入歌の「ふれあい」が100万枚の大ヒットになっていたが、「俺たちの旅」で俳優としての人気が揺るぎないものになった。

2年半前に50周年を迎えた時にインタビューさせてもらった。話してるうちに「俺のこと詳しいね」と言うので「デビューした時は中学生。沖田先生からスターになって、ずっと見ているんですから」と言ったら笑っていた。

ステージ上で「俺たちの旅」の何話かを上映。最終回を見終わった雅俊さんは「映画(『五十年目の俺たちの旅』)の監督をやらせてもらったので、何回も見たけど、そのたびに感動した。50年後も、やっている現実。すごくないですか」と口にした。

今回のコンサートで実感したのは、雅俊さん、そして「俺たちの旅」の共演者である秋野太作さん(83)、田中健さん(75)とともに青春、人生を歩んで来た人の多さだ。3人の演じたカースケ、グズ六、オメダに自分を投影している。

ご夫婦でコンサートに来ている方々も多かったのだが、1人で来ている“熟年男子”も多かった。普通、ベテランのコンサートは長年のファンの女性が多くて、休憩時に女性トイレが混む。いつも他人事ながら「大変だな」と思っていたのだが、今回は熟年男子が多くて、男子トイレが混んで大変だった。

そして何と言っても岡田奈々さん(67)。昨年、50周年のコンサートが決まった時に、チャンスとばかりにインタビューさせてもらった。今回は「青春の坂道」と「飾らない青春」の2曲を歌ってくれた。雅俊さんの音頭取りで、会場から「奈々ちゃ~ん!」の声かけをした時には、隣の女性カメラマンに分からないように小さく唱和させていただきました(笑い)。

長く記者をやっていると、訃報(ふほう)を書くことが多くなる。10月も脚本家の倉本聰さん、作家の村上龍さん、漫画家のちばてつやさんと3人の追悼原稿を書いた。

そんな中で、この業界に入る前からファンだった人に会って取材できるのは、また違った喜びだ。この商売をやっていてつくづくよかったと実感させてくれた「俺たちの旅 スペシャルコンサート」だった。【小谷野俊哉】