<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
「先輩を参考にするのもいいけど、自分の手で何かを切り開かないと、新しい自分の道は作られない。」
乃木坂46の6期生、川端晃菜(15)が、10月26日から開催中の「6期生全国ツアー2026」のリハーサル中にライブチームのスタッフから掛けられた言葉だという。インタビューでこの言葉を聞いた時、思わず自分の境遇と重ねていた。
幼い頃から憧れてきた乃木坂46の一員となった、グループ結成と同じ2011年生まれの川端。加入後は先輩たちのパフォーマンスを映像で見返し、表情や踊り方を参考にしてきた。憧れの存在に少しでも近づこうと努力を重ねる一方で、「自分にしかできない表現とは何か」を模索している。
その姿は、今年入社したばかりの新人記者として、日々先輩たちの仕事を見つめている自分にも重なった。原稿の書き方や取材の進め方、言葉の選び方。先輩の仕事から学ぶことは多く、少しでも近づきたいと思う。だが、誰かのまねをするだけでは、自分にしか書けない記事にはたどり着けない。川端の言葉は、そんな当たり前でありながら、まだ十分に向き合えていなかった課題を突きつけてくるようだった。
川端は同期と話し合いながら、一つ一つの楽曲の見せ方も考えている。自身が6期生ライブでセンターを務める楽曲では「誰よりもはっちゃけて踊るように意識しています」と、最年少らしい明るさを届けることを大切にする。大人っぽく見られることが多いからこそ、普段とは違う一面を見せたいという思いもある。
ステージでの振る舞いにも成長が表れている。加入当初はファンと目を合わせたり、反応を返したりすることにも怖さがあった。昨年のツアーでは数曲踊っただけで苦しくなるほどだったが、経験を重ねる中で体力がつき、周囲を見る余裕も生まれた。「私もやってやるぞ」という気持ちで、憧れの先輩たちを追いかけるだけでなく、自分の力でステージをつくろうとしている。
今回のツアーでは、6期生としての存在感を示すことにも強い思いを持つ。未来の後輩を輩出する新プロジェクト「青葉坂46」も発表され、グループの新たな動きが進む中、6期生にとっても大切な時期を迎えている。「後輩が入ってくる前のこの貴重な時期にいただいたチャンスはありがたいですし、同時に責任もあります。乃木坂46に必要だと思ってもらえるような存在感を出していきたいです。」
単に「6期生でライブが出来て良かったね、でファンの皆さんを帰らせるようなライブにはしたくないです。かわいいだけじゃなくて、すごいんだぞ! って見せたいです。」6期生だけで全国を回る機会を、グループの未来につながる一歩にしようとしている。
インタビューの最後、自分自身を色に例えてもらうと、川端は「にごった紫色」と答えた。「本当の自分が分からなくなってきた」「まだ自分のキャラクターとかもあんまり見つけ出せていない」多くの人に見られるステージに立ちながらも、自分らしさを探している最中だという。全国ツアーを終える頃には「クリアな紫」になっていたいと話した。
その答えに、再び自分の姿を重ねた。記者として何を強みにしていくのか、どんな視点で人や出来事を伝えていくのか。まだ明確な答えは見つかっていない。
先輩の背中を追うことは、決して悪いことではない。そこから何を学び、どう自分のものにしていくか。川端の言葉は、記者として歩み始めたばかりの自分にも、その大切さを教えてくれた。
川端が目指す「クリアな紫」は、どんな色になるのだろう。その変化を見届けたい。【会田京叶】