89歳山﨑努、俳優70年「辞める気ない」初ドキュメント映画舞台あいさつ

東京国際映画祭「山﨑リバーサイド-俳優の肩ごしに-」質疑応答に登壇した山崎努(撮影・村上幸将)

俳優人生70周年の山﨑努(89)が2日、都内で開催中の東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門で特別上映された「山﨑リバーサイド-俳優の肩ごしに-」(犬童一心監督、27年公開)質疑応答に登壇した。トークの中で「70年って、そうなんだけど、実感もないし、辞める気もない。毎日、毎日、新鮮で楽しくて不安で夢中になった。積み重ね、70年なんて、とんでもない。7年くらいの気持ち」と生涯、俳優で生きると誓った。

「山﨑リバーサイド-俳優の肩ごしに-」は、山﨑にとって、初のドキュメンタリー。老いと向き合い、がんと闘病する中でも「俳優」を追求する姿に密着した。映画「天国と地獄」(63年)で黒澤明監督に発見された才能を、自らの力でどう開花させていったのか? 本人のロングインタビューに加え、山﨑から影響を受けた渡辺謙(67)柄本明(77)香川照之(60)鶴見辰吾(61)山田洋次監督(95)や黒澤映画を支えた野上照代氏(99)のインタビューを交え、描いた。

山﨑は、俳優を辞め、税理士を目指し、独立したら、また俳優をやりたいという男性から、副業を持って俳優をやっていいか? と尋ねられ「逆に、俳優ってどういう資格があれば良いの? と考えたらいい」と答えた。「志望する時から、なぜ、俳優なのかが大問題。才能があるかないかも分からないのに、なぜ(舞台の)上にいるのかが大問題。どこに、よりどころがあり、職業として胸張ってやれるか」と口にした。

その上で「自分を、さらけ出すこと。普通の人間だと、できない、見る価値のある、恥をかかないと…身を開く覚悟がないと、できない」と訴えた。この言葉を聞いた、犬童一心監督(66)は「見る価値のある恥をかく…映画になかった明言じゃないですか? それができないと俳優にならない…なかなかの明言」と声を大に客席に訴えた。

この日は“門下生”とも言うべき存在の渡辺が、花束を持って祝福に駆けつけた。