5月のカンヌ映画祭(フランス)で日本人初の女優賞を受賞した「急に具合が悪くなる」(濱口竜介監督)主演の岡本多緒(41)が5日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた、第21回難民映画祭オープニング上映会に、米本学仁(47)とともに登壇した。
オープニング上映会では、包囲下のガザで漁を続ける兄弟を描いた日本初公開作品「FREE FISH-ガザの漁師たち」と、シリアの紛争を記録してきた2人の映像制作者が、英国で難民申請をしながら自らの避難生活を見つめる「アライズ・イン・エグザイル/故郷を追われた盟友たち」を上映。主催の特定非営利活動法人・国連UNHCR協会が、22年の世界難民の日に合わせて公開した、岡本と米本も出演した詩の朗読フィルム「リスト:彼らが手にしていたもの」も併せて上映した。
岡本は「アライズ・イン・エグザイル/故郷を追われた盟友たち」について感想、意見を聞かれ「難民になりたくて、なっている人は少ないと思うんですけど、2人は映画の中で難民申請を、ずっと待っている、難民に認定されたい立場」と口にした。その上で「そもそも、難民になってしまうことは、日本においては悲劇。認定されることで、違う生活ができるかも知れない…日本に住んでいると、想像しがたい環境を映画にしてくれて、見られるのが1つの救い、私たちにいろいろ教えてくれる」と映画にする意義を強調。「仲の良い2人が再会して、また映画を撮って欲しい」とも訴えた。
さらに、オンラインで配信中の「気候変動に揺れる世界」についても言及。「『気候難民』というワードがある。世界中で起こっている干ばつ、サイクロン、洪水で住んでいるところからの移動を余儀なくされる人は、紛争や戦争で移動を余儀なくされている人より一気に増えている現状がある」と、まず説明した。その上で「気候変動は、二酸化炭素(CO2)が、地球を温めてしまっており、日本は、世界で5番目に排出が多いと言われていて。映画では、バングラデシュが取り上げられているけれど、海の向こうで起こっている被害が、私たちの生活によって強いてしまっている」と強調。「難民は、日本に住んでいると想像しにくいと思っているかも知れないけれど、私たちが今日、使っている電力、乗っている自動車が、他の地域の誰かの生活を奪ってしまっているかも知れない、ということは、知っておいていいんじゃないかと思う。この映画を見て知って欲しい」と呼びかけた。
難民映画祭は、難民に焦点をあてた日本では初の映画祭として06年にスタートし、これまでに279作品を上映し、累計10万人以上が参加してきた。今年は「世界を想う。平和を問う。」をテーマに、困難を生き抜く難民の力強さに光をあてた8作品(うち日本初公開5作品)を、12月6日までの32日間オンライン配信、東京の2会場で劇場上映を行う。