成田凌、東京国際映画祭最優秀男優賞2日後「男ともだち」初日体調不良で欠席、直筆メッセ寄せる

映画「男ともだち」初日舞台あいさつに登壇した松岡茉優(撮影・村上幸将)

松岡茉優(31)の主演映画「男ともだち」(三島有紀子監督)初日舞台あいさつが6日、東京・新宿ピカデリーで行われた。2日前の4日に閉幕した東京国際映画祭で、最優秀男優賞を受賞した成田凌(32)は、体調不良で欠席し、直筆メッセージを寄せた。

「本来であれば、この大切な日に直接感謝の気持ちをお伝えしたかったのですが、どうしてもそちらへ伺うことができず、申し訳ありません。初めて脚本を読んだとき、令和の名作が生まれると確信しました。しかし、いざ自分が演じる立場になって読み込んでいくと、これは自分自身の人間性を試される作品になるのではないかと思いました。これまで自分が参加してきた作品とは、何か、一線を越えたところにあるものが必要なのではないか。けど、その『何か』が何なのか、自分でもつかむことができず、悩んでいました」

「そんな中道しるべとなったのは、監督からいただいた『とにかく“見て”いて欲しい』という言葉でした。撮影期間中も毎朝のように監督と話し合い、たくさんの言葉やヒントをいただいたおかげで、最後まで演じ切ることができたのだと思っています」

成田は東京国際映画祭クロージングセレモニーも欠席し、その際はスケジュールの都合と説明していた。

「男ともだち」は直木賞作家・千早茜氏の著作初の映画化作品。松岡は、描きたいものを見失った京都在住29歳のイラストレーター神名、神名を出会った頃から深く理解し、7年ぶりに再会する大学時代の先輩ハセオを、成田が演じた。劇中の設定通り、成田と松岡も19年のフジテレビ系ドラマ「磯野家の人々~20年後のサザエさん~」で、松岡がワカメ、成田がタラオを演じて以来、7年ぶりの共演だった。

神名は同居する恋人がいながら、妻子ある医師と体だけの関係を続ける。文具メーカーで働く神名の恋人で同居相手の彰人を井上祐貴(30)中島は神名が事務のアルバイトをしていた大学病院の勤務医で、妻子を持ちながら不倫関係を続ける真司を中島歩(38)が演じた。

成田とのタッグが、18年「ビブリア古書堂の事件手帖」以来となった三島有紀子監督(57)は「満席のピカデリー、一緒に見たかった。成田さんとは2回目ですけど、直前までこうかな、ああかなと悩んでくれる」と成田へ思いをはせた。そして、神名がハセオの部屋で映画を見るシーンに触れ「『ハッピー映画、見ようよ』というセリフは、なかった。成田さんが見つけてくれたセリフ」と感謝した。

成田は「自分自身、これまでの人生の中で何度も映画に心動かされ、支えられてきました。見終わった後も、ふとした瞬間に思い出したり、何年も経ってから、また違った意味を持って心に響いたり、映画は見たら終わってしまうものではなく、見た人の中で、そこから、また新しい時間を生き始めるものだと思っています」と、映画とは何かを評した。その上で「この作品もまた、皆さまにとって、そんな人生の1本になってくれたら、うれしいです。よかったら、皆さまの大切な誰かにも、こんな映画があったよと教えてあげてください」と呼びかけた。

◆「男ともだち」 神名(松岡茉優)は、数年前に絵本で賞を取り脚光を浴びるも、最近はむちゃなクライアントワークに神経をすり減らし、惰性と不毛な恋愛に逃げる日々を送っていた。出会った頃から、なぜか深く理解をしてくれる“男ともだち”ハセオ(成田凌)からの思いがけない電話をきっかけに、7年ぶりに再会。甘く、苦く、ひりひりとした2人の時間が動き出す。愛していないはず、だけど失いたくない…あの頃も今も変わらない温度で接してくれるハセオと過ごす“3つの夜”が、神名の人生を大きく変えていく。