<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
大ベテランはパワフルで勤勉だ。このほど、加藤茶(83)が登場したセレモニーを取材した。その翌日に入った映画「星の教室」の舞台あいさつでは、中尾ミエ(80)山本學(89)角川春樹氏(84)といずれも80歳を超えた登壇者たちがはきはきと話していた。
「108歳の『茶寿』まで生きる」と掲げた加藤は、元気の秘訣(ひけつ)を「大きな声で笑うこと」と言った。「おもしろいなあ」と声を上げながら、若い芸人たちの活躍をテレビで眺めているという。自身も「100歳を超えても舞台で人を笑わせたい」と宣言した。
中尾と山本は、夜間中学が舞台の映画に生徒役で出演している。撮影前に実際の夜間中学を見学し、感銘を受けた。中尾は「年齢関係なく、自分が学びたいと思った時に学ぶのが一番。チャンスがあったら通わせてもらいたい」と、役柄そのままに“学び直し”に意欲を見せた。
山本は「見学に行った時、黒板に『学ぶことは生きること 生きることは学ぶこと』と書いてあった。常に学ぶ。それがこの作品に対する私の心根。若い人たちの芝居からうんと教えられた。引っ張ってもらった」と、昭和12年生まれの最年長ながら最も謙虚だった。作品の舞台は大阪。大阪生まれも育ちが東京のため、大阪弁が話せない。「毎日、専門(方言指導)の方についていただいてみんなで大阪弁を学んだ。この年になって教えられることがたくさんあった。学ぶことは生きることだと、自分に言い聞かせております」。
角川氏は「ほぼ半身不随になった」という昨夏の脳梗塞(こうそく)から復活を遂げ、総監督を務めた。公開初日を迎え「手放さなきゃいけない寂しさを感じたのは今回が初めて。76本目の映画で初めて学ばせてもらった」と、新しい感情との出会いを語った。
学ぶことも始めることも、何歳からでも遅くないとはよく聞くが、探求心を持ち“続ける”ことに頭が下がる。原稿の体裁上「加藤は」「中尾は」「山本は」と呼び捨てにしているけれど、人生の大先輩たちに心の中では敬称をつけまくっています。【鎌田良美】