日本のロックバンドの先がけで多くのミュージシャンに影響を与えた、はっぴいえんどの元ギタリストでミュージシャン鈴木茂容疑者(57)が17日に大麻取締法違反(所持)の現行犯で、警視庁東京湾岸署に逮捕されていたことが18日、分かった。調べによると、鈴木容疑者は東京都江東区青海2丁目の路上で乾燥大麻を所持していた疑い。「自分が吸うために持っていた」と容疑を認めている。

 東京湾岸署によると、鈴木容疑者は17日午後2時過ぎ、フジテレビに近い東京・江東区青海2丁目の路上に車を止めていた。車が駐車禁止の路肩に停止していたため、巡回中だった警視庁遊撃特別警ら隊が、車中にいた鈴木容疑者に声をかけた。その際、鈴木容疑者が警察官の姿を見てうつむいたり、目をそらすなど挙動に不審な点があったため、同隊員が職務質問。さらに、車中の持ち物の確認をしたところ、運転席と助手席の間にあるコンソールボックス(物入れ)の中から、プラスチックケースに入った乾燥大麻が見つかった。重さは、ケースを含め27グラムで、午後2時20分に大麻取締法違反の現行犯で逮捕された。

 鈴木容疑者は調べに対し「自分が吸うために持っていた」「自分のものに間違いない」などと容疑を認めている。また、青海2丁目の路上にいた理由を「音楽の収録のため近くに来ていた」と話しているという。

 遊撃特別警ら隊は鋭い洞察力で「職務質問のプロ」との異名を取るほど。今回も、鈴木容疑者の小さな動きを見逃さず、職務質問から大麻を発見し逮捕する敏腕ぶりを発揮した。

 鈴木容疑者は、日本のロックの草分け的存在だったはっぴいえんど解散後、ギタリストとして活動。演奏技術が高く、吉田拓郎、福山雅治、ゆずら人気アーティストの作品に編曲やギタリストとして数多くかかわってきた。昨年、歌手活動を再開した水谷豊のバックも務め、NHK「SONGS」で「カリフォルニア・コネクション」の演奏に参加している。水谷が初出場したNHK紅白歌合戦には参加していなかった。

 [2009年2月19日9時12分

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