「明日ママ」全スポンサー撤退でも続行

 日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」(水曜午後10時)が、児童養護施設の団体などから放送中止や内容改善を求められている問題で27日、新たに花王など3社がCMの放送を見合わせることを決め、番組スポンサー8社全てがCMを放送しないことになった。一方、日本テレビ大久保好男社長はこの日の定例会見で「最後まで見ていただければ制作の意図は分かっていただける」として放送継続の意向を示した。

 全スポンサーがCM放送を見合わせる異常事態になった。22日放送の第2話でエバラ食品工業、JX日鉱日石エネルギー(エネオス)、キユーピーの3社がCM放送を見合わせ、24日には富士重工業(スバル)、日清食品が新たに第3話(29日放送)のCM見合わせを決定。この日、花王、小林製薬、三菱地所の3社もCM放送見合わせを決定し、ACジャパン(旧公共広告機構)のCMに差し替えられることになった。

 大久保社長は定例会見で、「スポンサーの皆さんに番組の趣旨を丁寧に説明し、理解を求めていきたい」と話していたが、その後に事態が判明し、同局総合広報部は「番組の契約に関する個別の事項についてはお答えしていません」とコメントした。

 会見では大久保社長による反省の弁もあった。「テレビ局の番組が大きな影響力を持っていることは認識しないといけない。『配慮が足りない』という趣旨の抗議を受け、その点は重く受け止めています」「関係者の声、視聴者の声、スポンサーの声にしっかり耳を傾け、内容に細心の注意を払いながらより多くの人に支持される番組を作っていくのが基本姿勢です」。

 一方で、「抗議を受け止めることとストーリーを変えるのは必ずしもイコールではないと思う」とし、「最後まで見ていただければ私たちの意図が理解していただけるだろう」と、当初の予定通り全9話を放送する方針を示した。

 佐野譲顕制作局長も「当初から最終話までストーリーは完成している。大きなストーリーや脚本、演出は変更なく最後までいけると確信しています」と回答した。全国児童養護施設協議会から出された内容改善の要望についても「要望書ですので、回答の予定は現時点ではありません」と応じない構えと説明。その上で「3、4、5話と見ていただければ、理解していただける支持者が増えていくと思っています」とした。

 事態を受けて、主演の芦田愛菜(9)ら未成年の出演者に対する配慮を問う声も出たが、佐野局長は「番組の監督3人を中心にケアは徹底的にやっている。傷ついているとは聞いていない。すべて理解してやっていただいていると思っています」との考えを示した。撮影は4話まで終了。台本は5話まで出来上がっているという。

 ◆テレビCM

 大きく分けて「タイムCM」と「スポットCM」の2種類がある。「タイムCM」は特定の番組を提供し、その番組内で流される広告をいい、「スポットCM」は番組に関係なく放送される広告をいう。「明日-」のスポンサーは「タイムCM」契約とみられ、これらの企業にCM枠が販売済みのため、他企業のCMを放送することは出来ず、ACジャパンの代替CMに差し替えられる。広告料金については、広告主判断でCMを見合わせた場合、原則的に支払いが発生する。<「明日ママ」経過>

 ▼1月15日

 初回放送。平均視聴率14・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 ▼同16日

 熊本市の慈恵病院が会見で「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与え、人権侵害」として放送中止を申し入れるとした。日本テレビは「最後までご覧いただきたい」。

 ▼同20日

 日テレが慈恵病院に対し、放送継続を伝える。

 ▼同21日

 全国児童養護施設協議会が会見で、内容改善を求める。全国里親会は放送中止を求める。

 ▼同22日

 熊本市の幸山政史市長が会見で「局は、施設当事者の声を真摯(しんし)に受け止めてほしい」。慈恵病院は放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に、審議を求める申立書送付。第2話放送。平均視聴率13・5%。エバラ食品工業、JX日鉱日石エネルギー、キユーピーがCMを見合わせ。

 ▼同24日

 日清食品と富士重工業が第3話以降のCM見合わせ決定。

 ▼同25日

 出演する城田優が「ストーリーを全部見てから判断して」とコメント。

 

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