政界地獄耳

未来託せる日韓議連にならないか/政界地獄耳

★来月13、14の両日、超党派で作る日韓議員連盟がソウルで韓日議員連盟と合同総会を開く予定だが、韓国人元徴用工判決で対応に苦慮しているという。しかし韓国の文在寅大統領は、今月1日の施政方針演説で徴用工問題には触れなかった。大統領は無関心なのかもしれないし、ほかの問題と同様に、軍事政権時代にまとめられたものへの再検証をするために沈黙しているのかもしれない。

★しかし、日韓議連は2国間の溝を深くしたくないと苦慮しているという。官邸が感情のコントロールができないのなら、お互いを刺激せず“政治決着”のための伝令役ばかりではなく、議連が官邸に具申するべきだ。これからは議連の在り方も変えるべきだ。親韓派と親日派が集う総会より、この問題は両国の議連の専門家が集まり、にわか勉強の外相や首相よりも知識と見識のある議論をこなせる議連にはできないものか。

★韓国も手をこまねいているばかりではない。13日、韓国首相・李洛淵(イ・ナクヨン)は、韓日関係の専門家約10人との昼食会を行い、意見を聞き始めた。政治的、外交的な総合判断が求められるのは両国とも同様だ。だが、歴史問題を対立の道具に両国が利用してきた時代もあった。そのツケは必ず国民が払わされてきたことに、政治家は歴史の検証と改めるべきことはないか絶えず問うべきだ。日韓両国には、戦時中の歴史の証人たる国民がいる。その声を無視して政治決着ばかりで通してきた歴史の踏襲だけで、未来は築けるのか。

★両国内にはこの徴用工判決は民事の問題で、政府が介入することにも疑問を持つ人がいる。だがそのきっかけは植民地政策だったことも忘れてはならない。日韓の未来を日韓議連に託せるか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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