政界地獄耳

議員年金復活が特効薬なのか/政界地獄耳

★今年は統一地方選挙が行われるが、その地方議会は議員のなり手がいなくて苦労している。13日の、熊本日日新聞が行った4月の県議選に出馬予定の現職県議44人を対象にした昨年12月の調査。全員から回答を得たという。そのアンケートによると議員のほぼ半数が「不足」と感じているという。県議選でも無投票区が多く、今春の統一地方選で前回より増える可能性があるという。

★また、なり手不足問題の解消に必要な方策(複数回答可)では「報酬引き上げ」が27人で最多。11年に廃止された「議員年金の復活」18人、「政務活動費の拡充」10人、「兼職・兼業禁止の緩和・撤廃」は6人、「週末や夜間などの開催」が3人だった。その声は全国の議員からの声でもあるのだろう。地方議会議員年金は民主党政権時代の11年に廃止した。市町村合併による議員減で掛け金収入が落ち込み、破綻は確実だった。

★それを昨年来、自民党は復活しようというのだ。元党総務会長・竹下亘は「元議員にはホームレスや生活保護の受給者がいると聞く」と発言したが、国会議員や地方議員だった人たちの窮状が伝えられているのだろう。だが、なり手不足の特効薬が議員年金復活なのだろうか。アンケートにあるように「兼職・兼業禁止の緩和・撤廃」「週末や夜間などの開催」では追い付かないのだろうか。地方議員は個人事業者なので国民年金になる。厚生年金もなじまない。そのために議員年金を創設する必要になるわけだが、この際、国民年金全体の制度設計を含めて見直す議論も始めるべきだろう。いずれにせよ議員だから特権ではなく、国民・市民の代表としての権限を示す時期ではないか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

おすすめ情報PR

社会ニュースランキング