政界地獄耳

沖縄県民投票、マイナンバー利用しては/政界地獄耳

★沖縄県の名護市辺野古への移設の賛否を問う県民投票について県議会議長・新里米吉は現在の賛否2択から選択肢を増やすことを検討しているという。賛否を問うための県民投票で「どちらともいえない」という選択肢を加える意味もなかなか分かりにくいが、県民投票の予算を組まないとした市議会や市長を参加させるための苦肉の策だろう。だが、この県民投票の趣旨は宜野湾、宮古、石垣、うるま、沖縄の各保守系市長の留飲を下げる場所ではない。県民の民意を問い、民主主義を実践するものだ。どちらともいえないでは意思でなくアンケート調査になりかねない。

★では県知事・玉城デニーや投票したい県民はどうすればいいのか。総務省はこの件について官邸の顔色をうかがっているのか反応がない。しかし、マイナンバーカードを取得して自宅から投票するというプランはどうだろうか。そして集計とそのシステム費用は県がすべて持つというのはどうだろう。個人の家のカードリーダー(読み取り機)は、一定の県補助をする仕組みを急げばおそらく、資格者の4分の1程度は集まり、投票者の分母は増えるのではないか。反対する5市もマイナンバーカードの交付拒絶は国の政策を拒否することになる。市町村は反対する立場にない。また国、総務省はマイナンバーカードを普及させたい立場。こちらもダメとは言えないどころか新たな使い方として奨励すべきではないか。

★住民の100%がカードを持って大規模施設の建設や自治体の命運を左右する案件では、サッと意向調査を電子投票でかける。今後もカジノの是非や大阪「都構想」も、莫大(ばくだい)な選挙執行経費を無駄遣いしなくても、こういうスマートなやり方こそを政府は目指しているのではなかったのか。先進国らしい民意の示し方すら市長や総務省は否定するのか。沖縄県や大阪府は研究すべきではないか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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