政界地獄耳

池江はアスリートの手本になりうる/政界地獄耳

★13日、白血病を公表した池江璃花子選手がツイッターを更新した。「皆様からの励ましのメッセージの中に『骨髄バンクの登録をした』『輸血、献血をした』など、沢山の方からメッセージを頂きました。私だけでなく、同じように辛(つら)い思いをしてる方達にも、本当に希望を持たせて頂いてます。もちろん私にとって競泳人生は大切なものです。ですが今は完治を目指し、焦らず、周りの方々に支えて頂きながら戦っていきたいと思います。しばらくの間、皆様に元気な姿をお見せすることができないかもしれません」などとつづられていた。

★これこそが今の日本のアスリートの姿ではないか。自身の不安やつらさとともに希望を心配しているすべての人に与える力。スポーツ選手のすばらしさを改めて感じた方々も多いはずだ。これこそが東京オリンピック(五輪)・パラリンピックを目指した日本アマチュアスポーツ界関係者の思いにつながるのではないか。昨年、指導者のパワハラやセクハラが相次いで問題となった。だが、既に池江世代の選手たちには国際感覚やメンタルの強さ、そして何より高潔性(インティグリティ)が備わっているとみるべきだろう。

★スポーツだけではない社会人としての優れた人柄とアスリートとしての努力によって社会から尊敬される人物になる。まさに池江はこれからの日本のアスリートの手本になりうる人材ではないか。一方、五輪相・桜田義孝や自民党参院議員会長でJOC副会長・橋本聖子の言葉足らずの発言は贔屓(ひいき)の引き倒しだし、東京五輪招致を巡りフランス司法当局から贈賄容疑で捜査されているJOC会長・竹田恒和らアスリートを支える側の体たらくが残念でならない。アスリートたちの環境整備をするはずの彼らがこれでは選手は一流、支える組織は二流といわれかねない。頑張れニッポン。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

おすすめ情報PR

社会ニュースランキング