政界地獄耳

日本は健康以外とりえのない国か/政界地獄耳

★国連関連団体「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」が19年の世界幸福度ランキングを20日に発表した。1人当たりの国内総生産(GDP)や社会的支援の充実ぶり、健康寿命、人生の選択の自由度、寛容さ、社会の腐敗の少なさを基に16~18年の「幸福度」を数値化し156カ国の順位を決めるもの。まさに基礎統計がものをいう国際指標だ。結果は前回に続いてフィンランドが1位。次いでデンマーク、ノルウェーが上位を占めた。

★一方我が国は健康寿命がシンガポールに次いで2位となった一方、他者への寛容性が92位、社会的自由度が64位と低く、1人当たりのGDPが24位、社会的支援が50位、社会の自由度が64位、腐敗のなさが39位、全体では58位と昨年から4ランクダウンした。日本より上にはどんな国があり、下にはどんな国があるのか。その順位よりも我が国は健康以外に取りえのない、つまらない国なのかと心配になる。寛容性が低く、社会支援も社会的自由度も低い。そして調査する度に順位を下げている。

★内閣府が行う国民生活に関する世論調査の設問は現在の生活について、今後の生活について、生き方、考え方について、政府に対する要望などで構成されているが、14年の調査結果では現在の生活にどの程度満足しているかの問いに「満足」とする者の割合が70・3%(「満足している」9・5%+「まあ満足している」60・8%)、「不満」とする者の割合が29・0%という結果だ。世界を知らないのか、生活に慣れたので満足なのか。それとも世界中の人たちに比べて満足度や幸福度の価値観や定義が違うのか。間もなく外国人労働者が我が国に夢と希望を持ってやってくる。その時に誇れる国と国民でありたいと思うものの、彼らに失望を抱かせる問題点が見いだせないのならば、国連の調査が的確なのかも知れない。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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