政界地獄耳

GAFA問題 日本のデジタル課税は?/政界地獄耳

★18日、自民党競争政策調査会(会長・伊藤達也)はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と呼ばれる巨大IT企業を巡るルール整備に向けた提言をまとめ、取引の透明性を確保するため契約条件の明示を義務付ける「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法(仮称)」の制定や、独占禁止法違反に対する公正取引委員会の取り締まりを強化する新指針の策定などを求めた。

★同調査会は3月にGAFA幹部を党本部に呼び、3回にわたりヒアリングを行った。だがこのヒアリングの出席は議員本人のみしか認めず、党政調会長・岸田文雄の冒頭あいさつもマスコミシャットアウトで行われ、いわゆる記者のカベ耳、立ち聞きも許されない厳しいもの。GAFAサイドが条件付きで出席したのではないかと党内外でうわさになったほどだ。3月28日の参院財政金融委員会では共産党の大門実紀史が「日本が受け取るべき巨額の税収が海外に流出している。まとめ役としても、日本独自でも両面の努力が必要だ」とG20でも議題とし、日本独自のルールも定めるべきとしており、GAFA問題は自民党から共産党までの共通テーマだ。

★国際課税のルールでは、外国企業が支店や工場などの拠点を置かずにビジネスを行っている場合、当該国では法人税を課すことができない。つまりIT企業は税金逃れの温床になりやすい。一方、IT企業は新自由主義の先端企業。規制を嫌い自由を求めるが、世界中がGAFAにのみ込まれかねない状況でもある。既に英国では来年から売上高の2%のデジタル課税が決定。フランスでは課税が始まっているものの、EUでは一律課税の合意には至らなかった。そこでG20の議長国である日本に期待が寄せられたが、米中の反対で俎上(そじょう)には載らない可能性が高い。自民党はせめて国内法で課税化したいとの意欲を示したのだろう。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

おすすめ情報PR

社会ニュースランキング