政界地獄耳

民主党政権時代の失敗を認めよ/政界地獄耳

★麻生内閣が民主党に選挙で大敗し、民主党政権が生まれてから今夏で10年になる。その民主党政権時代を首相・安倍晋三は「悪夢だ」と連呼する。選挙前に同志が集う会合ではこの程度の発言はあるだろうが、この10年間の6年は安倍政権だ。だが、首相がだれであろうと、国民は今よりも、今日よりも前を向いて豊かに、健康に安全に平和に過ごしたいと願う。民主党政権は野党に転落した自民党からは悪夢だろうが、野党から見れば今が悪夢だ。そして国民はこの10年で劇的に豊かで健康で安全で平和に過ごせているか。

★旧民主党の幹部たちや閣僚経験者はすぐ「失敗もしたが良いこともした」と胸を張る。党幹部だった元首相・菅直人は政権奪取前に街頭演説で「1度やらせてみて」と政権交代を試したらどうかと国民に訴えた。政権運営は麻生内閣との政権運営の違いや政策の優先順位、解決方法の差異などを提示して国民に審判を仰ぐものだ。国民の期待に沿わない政権ができた場合、首相の言うように悪夢だ。だから失敗した政権の当事者たちはあまり過去を美化してはいけない。

★国民は政権がいいことをしたかどうかよりも期待を裏切らず、改革や公約を進めたかに関心が行く。その意味では民主党政権のマニフェストは腰砕けに終わった。すると、14日のテレビ番組で国民民主党の小沢一郎は民主党政権が約3年の短命で幕を閉じたことに、「過ちは繰り返さないから、もう1度信頼してください。そう言う以外ない」と述べ、国民に謝罪する用意があることを表明した。これもなかなかできることではない。民主党時代に責任ある立場だった現職議員はその気持ちを表明したり、その考えを秘めて政治に臨むべきだ。失敗を認めよ。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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