政界地獄耳

G20へ各国が複雑な動き/政界地獄耳

★中国外務省は23日、習近平国家主席が28、29日のG20大阪サミットに出席すると発表した。習の訪日は13年の国家主席就任後初めてで、首相・安倍晋三とは27日に首脳会談が予定されている。習のこの間の動きは活発で今月6日、クレムリンで露プーチン大統領と会談。14日にはキルギスで上海協力機構(SCO)首脳会議、15日にはタジキスタンでアジア相互協力信頼醸成会議(CICA)に出席。ロシアとの関係強化に努め、20日には北朝鮮を訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談した。中国国家主席・総書記の訪朝は05年の胡錦濤以来14年ぶりという。

★対米シフトをがっちり固めてからのG20出席となる。米国に不満のある同士の中朝会談は「ハードルが高い米トランプ大統領の来年の大統領選挙再選のキャンペーンに利用されているだけ」という思いだろう。朝鮮半島緊張緩和の主導権が米国から中国にシフトすることを示唆する。一方、20日、ロシアの爆撃機が沖縄県の南大東島付近と東京都の八丈島付近の領空をそれぞれ領空侵犯した。

★その露プーチン大統領は22日放送の国営テレビのインタビューで北方領土について「現地の子供たちはロシア国旗を掲げていた。(今後ロシア国旗を)降ろさざるを得ないということはないか」と聞かれると、「そのような計画はない」と応じた。29日に予定される日露首脳会談を念頭に日本をけん制したのだろうが、ロシアにとっては既に外交的には終わった案件という認識なのだろう。同日、フロリダでは米トランプ大統領が大規模集会で演説し、「今夜、再選キャンペーンを正式に開始する」と発言。G20が開かれる大阪に照準を合わせて各国が複雑に動きだしていることがわかる。日本は舞台を貸すだけか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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