政界地獄耳

水面下では既に「選挙後」駆け引き/政界地獄耳

★政界は参院選挙、投開票まであと半分、折り返し地点に来た。地域によっては大接戦を戦っている選挙区もあり、各陣営、力が入るが永田町では選挙後が動きだしている。というのも参院議長・伊達忠一、自民党参院幹事長・吉田博美が政界を引退。選挙後、早速人事の確定が必要になったからだ。参院関係者が言う。「23日には人事を固めることになる。臨時国会は7月30か31日から3日まで。3日は土曜だから2日までになる。週明けてすぐ8月6日には広島で原爆の平和記念式典があり、三権の長が出席する。日程が窮屈だ」。

★慣例や序列から言えば参院議長には山東昭子の名前が挙がる。当選7回。科技庁長官などを歴任。07年ねじれ国会の影響で、自民党は第2党になり参院副議長に就任している。また参院幹事長には経産相・世耕弘成の名前が挙がる。当選4回。07年の安倍内閣発足では首相補佐官、12年の第2次安倍内閣で官房副長官。そして経産相は16年の第3次安倍第2次改造内閣から。世耕が幹事長になれば、党幹事長・二階俊博と並び、いずれも和歌山出身議員の幹事長ダブル就任となる。

★「そんな教科書通りにいくと思っているのか」とは参院ベテラン議員の1人。「1度副議長をやっている山東、大物扱いの世耕ですんなりいくかどうか。ことに世耕は長年、安倍内閣に官邸や閣僚としてコミットしていて参院の実情や、院に味方がいるのか」と厳しい。既にほかにもうわさレベルでは幾人も挙がっている。参院は衆院が考えているほど簡単ではない。「当然、青木さん(元官房長官・青木幹雄)の意向も無視できないだろう。その人脈は衰えたといえ、野党にまで広がっている」(ベテラン議員)。既に水面下では選挙戦さながらの駆け引きが始まっている。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

おすすめ情報PR

社会ニュースランキング