政界地獄耳

津田&上杉、ジャーナリストは隠れみの/政界地獄耳

★今、2人の男が世間で話題だ。1人はつい最近、自らが芸術監督を務めたあいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」で公開直後から政治家からの批判や一般の批判に耐えかね、3日で展示を休止した。話題の人・津田大介だ。津田は早稲田大学文学学術院教授、大阪経済大学情報社会学部客員教授、朝日新聞社論壇委員、新潟日報特別編集委員も兼任などそうそうたる肩書で、アカデミズムやメディアではおなじみだが関係大学や関係する新聞が積極的に津田を擁護している節もない。これほどの肩書と、政治やメディアについての著書や発言も多く、ジャーナリストという肩書を背負う発言もある。

★もう1人は、自身のオフィシャルサイトで「昨日(19年6月末日)をもって正式に会社経営から退き、19年7月よりジャーナリストとして復帰することになりました。復帰に伴って、原発報道への抗議の意味を込めた12年1月の「休業宣言」、東京都知事選出馬など「リボルビングドア」の実践としての16年からの「廃業宣言」、ともに撤回し、メディアの編集主幹として再スタートを切ることにしました。新たな挑戦である作家、および僧侶としてのお務めをしながらの活動となります」と発表した上杉隆。故鳩山邦夫の秘書のあと、ジャーナリストとして政界に強くコミットしたものの、2度のジャーナリスト引退宣言。希望の党の設立に暗躍し、都知事選、中央区長選に出馬し落選。今回はNHKから国民を守る党幹事長に就任した。

★いずれもそれぞれの考えで活躍されればいいと思うが、気になるのが社会や世間の肩書に対する見方だ。ひとつの違和感はジャーナリストとして取材しながら自身がプレーヤーの軸になることへのバランスのとり方だ。取材者とプレーヤーは別ではないのか。先ごろも新聞社の政治部記者から参院に出馬した候補者がいたが、直前まで野党動向の記事をかきながら野党から出馬することの違和感に似ている。2人の活動を見ているとジャーナリストは活動の隠れみののようだ。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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