政界地獄耳

自民党として説明責任を果たすべき/政界地獄耳

★外国人労働者の在留資格をめぐる口利き疑惑が週刊誌に報じられている自民党衆院議員・上野宏史は厚労政務官を辞任したが「法令に反する口利きをした事実はない。このような報道となり大変遺憾だ。政務官の立場にあることで誤解を招きかねないとの指摘もあること、また体調を崩し役所に出ることがままならないことから職を辞することとした。支援者の皆さま、関係者の皆さまに心よりおわびを申し上げる」といった一方的なコメントを出して雲隠れした。

★しかし、辞任の理由は口利き疑惑であり、法令に反する口利きをした事実はないのならば政務官を辞める必要はない。今はどこ吹く風だが、たぶん自民党選対委員長・甘利明が最初だろうか、16年の経済財政担当相の時、道路建設をめぐり建設会社が甘利側に都市再生機構(UR)に対する口利きを依頼し、見返りに現金や接待をして大臣室でのやりとりもあったとし、大臣を辞任、そのまま「睡眠障がい」として国会を休み続けた。またあっせん利得罪で秘書らが告発されたが、不起訴となった。

★先輩の前例を踏襲したような形だが、官房長官・菅義偉は「政治家の活動については、1人ひとりの政治家が国民に不信を持たれることのないよう、常に自らが襟を正し、説明責任を果たすべきだ」。公明党中央幹事会会長・北側一雄は「不十分だ。記者会見の場に出て、しっかり説明責任を果たすべきだ」と説明責任を求める声が多い。上野は口利きで200万円を手に入れて、党費にかえるつもりだったようで、自民党の党員拡張の方法にも問題はなかったか、また、党員を集められなかった場合でも、党費分をおさめればいいというやり方も今後問われそうだ。その意味では党の説明責任も果たすべきだろう。いずれにせよ政権は来月の内閣改造前に片づけておきたいと考えているのならば、そんなに甘くないのではないか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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