政界地獄耳

五輪主催国ってやり放題?/政界地獄耳

★内閣改造後の政権のお粗末ぶりは来年のオリンピック(五輪)で大輪の花を開かせるためにはマイナスに働くだろう。台風による大規模停電やそれに伴う列車の遅れ、断水の被害がもし五輪の最中ならと頭をよぎった国民は多いかもしれないが、初動から被害を甘く見ていた官邸の判断ミスや、20年東京オリ・パラ組織委員会が「旭日旗は日本国内で広く使用されており、旗の掲示そのものが政治的宣伝とはならないと考えており、持ち込み禁止品とすることは想定していない」と判断したことを受け、新五輪相・橋本聖子は「旭日旗が政治的な宣伝になるかということに関しては、決してそういうものではないと認識している」と政府も容認するという立場を示した。

★こうなると火種を自ら作っているとしか思えないが、08年8月の北京五輪では北京の日本大使館が「安全の手引き」を作成。「中国では競技場やイベント会場で政治・民族・宗教的なスローガンや侮辱的な内容を含む旗や横断幕等を掲げることは禁じられています。また、過去の歴史を容易に想起させるもの(例えば「旭日旗」)を掲げるとトラブルを生じる可能性があります」と明記している。

★ところが、組織委員会と五輪相が「旭日旗は広く使われている」などとお墨付きを与えるものだから、15日にはさっそく政治団体が東京都錦糸町で旭日旗を掲げたデモを行った。政府はこれらを「広く使われている」としているのだろうか。確かに明治以来、軍旗や軍艦旗に用いられ陸自や海自が引き継ぐ形になっているが、それを韓国や北朝鮮は「戦犯旗」と反発して批判されている。ついこの間までは世界の中の日本を意識してきた日本だが、五輪主催国はやり放題と思っているのか。寛容なのか鈍感なのか、井の中の蛙(かわず)は世間知らずか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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