政界地獄耳

損保、沖縄…現場主義に学べ/政界地獄耳

★台風15号に対して官邸は激甚災害指定にすれば解決すると思っているようだが、同指定は被災者や被災地域に助成や財政援助を必要とするものに対して行われる。無論指定されるべきだが、財政援助などはまだ先の話。千葉では今起きている停電や断水、家屋の倒壊や半壊の現実的対応が望まれている。

★各省庁も大臣がそれぞれ役所ごとに現場視察を繰り広げ総合的な対策や、情報の連携が取れているとは言い難い。官邸に総合災害対策本部がないからだ。飲食、病院、風呂、道路インフラ、通信や携帯の充電なども含め、民間の対応の方が素早くて心もこもる。一方詐欺や押し売りなど、治安維持にも不安が残る。行政機関は官邸の総合指令の下に効率的に動くべきだったろう。ところが18日になっても政府は初動の遅れを指摘されると「あり得ない。上陸前から迅速、適切に対応してきたと認識している」(官房長官・菅義偉)と言い張り続けている。

★行政の対応に不満が残るのは現場というより、初動に的確な処方がなかったからだ。損保会社関係者によると、彼らは被災翌日には現地入りして被害の大きさをいち早く認識。行政はこの現場主義に学ぶべきという声もある。そして家の作り・防風林から電力会社の防災体制まで、台風銀座たる沖縄に学ぶべき。沖縄県の台風の通り道と言われ、各テレビ局がお天気カメラを設置している南大東島では台風の進路が明らかになったら、沖縄電力は前もって島に飛んでいって通過後に直ちに復旧作業着手。沖縄に学ぶなど今の官邸や東京電力の了見の狭さではあり得ないのだろうが、今こそ必要な考え方ではないか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

おすすめ情報PR

社会ニュースランキング