最近の政治家の“謝罪”/政界地獄耳
★同じ謝罪でも、あの手この手で一体何に謝っているのかわからない謝罪が多い中、台風避難の中、ホームレスを排除した台東区長の謝罪は近年の政治・行政の謝罪では極めて秀逸、正面から問題をとらえ、ちゃんと謝った好例ではないか。
★台東区長・服部征夫が発表したコメントだ。「このたび台風19号の際に、避難所での路上生活者の方に対する対応が不十分であり、避難できなかった方がおられたことにつきましては、大変申し訳ありませんでした。またこの件につきまして区民の皆様へ大変ご心配をおかけいたしました。台東区では今回の事例を真摯(しんし)に受け止め、庁内において検討組織を立ち上げました。関係機関等とも連携し、災害時に全ての方を援助する方策について検討し、対応を図ってまいります」。昨今、この当たり前のことが言えない。無論区長も会見で発言し、質問にも答えていただきたいと思うが、ひどいことをしたことを反省、その行為について謝罪している。妙な話だがこの当たり前のことができない。
★一方、ひどかったのは自民党幹事長・二階俊博の「予測に比べると、まずまずに収まった感じ」と発言したことについて「被災された皆様に誤解を与えたとすれば表現が不適切だった。これからの発言には気をつけていきたい。(被災地には)災害復旧に全力投球してやっていこうという姿勢は伝わっていると思う」と発言。新聞は扱いに困り「事実上の発言の撤回」とし、大甘で「謝罪」としたところもあった。だがこれを謝ったと読むのは難しい。最近の政治家の“謝罪”の方法だ。「被災者に誤解を与えたとすれば」は「こちらはちゃんと言ったが、間違った解釈をする人もいたようで」と言っただけだ。これは謝罪でもなんでもない。そもそも誤解など起きようがない発言だからだ。これを謝罪と許してきた政治部の感覚はなぜ非難されないのか。(K)※敬称略
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政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)