政界地獄耳

蚊帳の外 小池百合子も同じことしてる/政界地獄耳

★知事の権限とは何か。法律上の仕組みもさることながら、例えば千葉県知事は台風15号の際、県庁におらずパーティーに。神奈川県知事は台風19号の際、県の最北にある山北町長の給水依頼を受け止めなかった。知事の持つ権限は大きい。その分自治体の住民たちは、そこに住んだばかりに行政の適切な恩恵にあずかったり、判断ミスでつらい思いをする羽目にもなる。だからこそ知事には多くの権限や決定権が与えられる。議会と二元代表制を敷きながら、政治家と行政官のはざまで判断し自治をこなしていくのだ。

★都知事・小池百合子は東京五輪のマラソンなど陸上競技の開催地を札幌にするとIOC(国際オリンピック委員会)に決められ、蚊帳の外に置かれた。主催都市の知事なのに最後に知らされたと怒り心頭なのは直後の発言や、北方領土でやればいいなどの暴言、先週金曜日の定例会見の発言で明白だ。トップダウンでものが動き何も知らされなかった。だが小池自身も市場を築地から豊洲に移転する計画を突如延期するなど、市場に働く人や議会を通さずトップダウンで決めてきたし、そこで批判を浴びてきた。今回は小池よりも権限のある人たちが決めたのだから小池の怒りはわかるものの、同時に豊洲の時にやられた人の気持ちも理解しなければいけない。いずれも20年の五輪対策を大義に進めてきたことを考えれば全く同じことではないか。

★小池はマラソンの暑さ対策に300億円をかけてきたという。競技場の入り口にアサガオを置く、打ち水をする、日よけ傘をかぶる、そして専門家から疑問を呈されているマラソンコースに敷かれた遮熱性舗装。これは対策ではないとお友達というバッハIOC会長に判断されたのだろう。知事の権限とその行使は今以上に精査されるべきだろう。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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