政界地獄耳

「もりかけ」犯人捜しに「国家公務員法」/地獄耳

★新内閣は国会でうまく立ち回れたのか。国会開会前はすねに傷持つ閣僚を野党が手ぐすね引いて待っているようだったが、実態は環境相・セクシー小泉進次郎と経産相・菅原一秀への集中攻撃だった。結果は功を奏して小泉は19日、水俣病犠牲者の慰霊式出席の後、被害者団体と懇談したが、「歴代大臣と同じ」「歯切れが良いだけ。何も言っていない」との声が漏れ、国民の中に一定の評価が生まれたといえる。

★菅原も初入閣でいきなり経産相は荷が重いことに加え、公職選挙法が禁じる選挙区内での寄付行為問題で絶体絶命だ。予算委員会での答弁も「金品渡していない」から「確認したい」に変わりしどろもどろ。受け取ったという人たちも出始め07年の出来事として時効を盾にしのぎたいようだがもうアップアップだ。ただ、それ以外にも政治の劣化として看過できぬことがある。

★1つは13日の農水委員会。首相・安倍晋三の友人が理事長を務める「加計学園」の獣医学部新設問題でいわゆる「総理のご意向」メモなどを告発した文科省の内部告発者について、文科副大臣・義家弘介は国家公務員法違反(守秘義務違反)で処分する可能性を示唆した。また再調査の理由を「告発の内容が具体的にどのような法令違反に該当するのか明らかにする」公益通報者保護法の立法趣旨とは反して犯人捜しに法律を利用しようとしている。無論同法は公務員にも適用されるが、国家公務員法の守秘義務に抵触する可能性などと言いながら告発者を追い込もうとしている。教育機関の監督官庁は正義を摘み取ろうとしているのだろうか。

★また、国民民主党参院議員・森裕子が通告した参院予算委員会での質問が漏えいした問題もお粗末な限りだが、野党は質問通告拒否を宣言。それは与党の思うつぼで、国会の委員会の大半は役人が答弁することになる。ここでは国家公務員法の守秘義務は適用されないのか。お粗末な限りだ。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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