政界地獄耳

今回もまた「政令恩赦」政府執行への違和感/地獄耳

★即位の礼祝賀外交とメディアは大騒ぎだが、天皇陛下の即位に190カ国以上の元首や王族、高官ら各国来賓が式典に参列するためにやってきた。首相・安倍晋三の賓客ではなく首相の役割はホストだがその演出は政府の役割だ。皇室行事では国の象徴としてのものと宗教色の強い儀式があり毎回問題になる。一方、今回も政府は「政令恩赦」の復権令を22日に交付し即日施行した。

★国民からは政教分離に抵触しかねない宗教儀式に税金を投入することへの批判より恩赦への批判が大きい。朝日新聞の最新の世論調査では恩赦を行うことに「反対」が54%にのぼり「賛成」は25%。自民支持層でも「反対」は55%だったという。しかし自民と他党を分ける意味もあまりないのではないか。共産党までもが注文付きながら天皇制を容認する今、政党支持別などよりも復権令という仕組みに疑問がある国民が多いと捉えるべきだろう。

★昨今の上級国民に通じるものとでもいえようか、行政や司法の権限を越えて特別に刑を軽減する特例は政治関与を禁じられている皇族の権限として残るものの、その実務は政府が執行していることへの違和感だろう。

★陛下は5月1日に執り行われた「即位後朝見の儀」で最初に国民にお言葉で「皇位を継承するにあたり、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いをいたし、また、歴代の天皇のなさりようを心に留め、自己の研さんに励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望いたします」と述べられた。その思いと重なるための議論はどこにもない。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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