政界地獄耳

起こり得る与野党の攻守逆転/政界地獄耳

★会期末が近づき、来年が大政局になる予想を誰もがする4日、自民党各派は都内で事務総長会議を開き、衆院の解散時期などについて意見交換した。一部には早期の解散を求める声もあったという。衆院の任期は折り返しを迎え、いつ総選挙があってもおかしくない状況だが、首相・安倍晋三の解散断行のタイミングは決して多くはない。政界内にささやかれる年明け冒頭解散は、台風15、19号の被災者など激甚災害指定を受けた人たちへの10兆円規模の補正予算から始まる。

★国会開会は1月20日前後。首相は年末の外遊は立て込んでいるものの来年のダボス会議にはいかないようで、その後はいやが応でも予算委員会が開かれる。その段階までに野党は「桜を見る会」疑惑をどれほど掘り下げられるかにかかる。無論、関電献金疑惑、自衛隊中東派兵問題もテーマになるし、GDP速報値など景気動向も審議されるだろう。その攻防の中身次第で政局は大きく動くだろうが、首相が乗り切れば予算成立後の春解散、五輪直前の都知事選挙とのダブル、もっともこれは公明党が大反対するだろうから現実的には来年の五輪後、9月解散が政界の一致するところか。

★「首相は1日でも長くその座にい続けたいと思っている」という話が聞こえてくるものの、自民党総裁任期まであと1年とした来年9月という時期に解散しても、レームダック状態の政権に求心力はない。首相が4選を目指すのならばともかく、現実的にはそのパワーが政権にあるのだろうか。突然の退任か、任期満了までダラダラと政権を持たせるのか。与野党ともに予想外のファクトが飛び込んでくればあっという間に空気が変わり、攻守の逆転すら起こり得る。その意味では気の抜けない国会運営を与野党は強いられるが、火種だけはたくさんありそうだ。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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