国民の優柔不断と立民は頑固の子供政治/政界地獄耳
★「これで安倍政権は4選どころか、ずっと安泰だ」とは20日の国会開会日に会った自民党関係者だ。「そりゃ、立憲民主党と国民民主党が名実ともに1つになり、ほかの野党が糾合されていけば与党には脅威になる。支持率とか政権の人気とか、今までの自民党では野党連合の攻勢には通用しなくなる」と安堵(あんど)の説明だ。ことに参院がまとまらなかったことが安心したとも。自民党は3年後の参院選挙が与野党攻防の天王山とみていたようだ。
★政権を野党が奪取するためには参院を制さなくてはならない。過去にも参院でねじれを起こしてから野党は力をつけ、衆院優位の自民党をてこずらせた。結果第1次安倍内閣もねじれをクリアできず退陣に追い込まれたし、参院を制すものが政権を制すといえる。自民党は3年後の参院選で野党が逆転することを恐れていた。その意味では立憲と国民が昨夏の参院選で対立候補を立てるなど、厳しい選挙戦からまだ半年。感情的なしこりが残っている限り合併はないと見極めたのだろう。
★国民民主党の幾人かに今後の与党との連携をにおわせ、参院の立憲民主党への憎悪をあおり、連合右派の組織内候補をたきつければ、いまだ55年体制から抜け出せない彼らをコントロールするのは簡単だったはずだ。感情的にくすぶっている両党は、民主党以来、元来すぐ対立する関係。ここで勝負はあったといえる。政治的には未成熟な組織だからこそ、まとまることによって安倍政治を葬るどころか、安倍政治に加担していることに気付かないというおめでたさだ。とどめは国民民主党代表・玉木雄一郎の優柔不断と立憲民主党代表・枝野幸男の頑固さ。こんな子供政治では何年かかっても政権奪取どころかまとまることさえできない。何より野党全体に信用がなくなっていくことを知るべきだ。(K)※敬称略
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