政界地獄耳

合併ご破算…「こんなこともできない野党」/地獄耳

★立憲民主党と国民民主党の合併ご破算はただの合流なしではない。あれだけ昨年末から合流合流と言い、国民に期待を寄せさせながら、双方とも自党の理屈は一切譲らないという、やる気のない合流だった。両党ともに党内調整に汗をかいたわけでもなく、代表一任は名ばかりで民主党時代からのまとまり感のない、「結局、こんなこともできない野党」のイメージだけを残した。

★自民党幹事長・二階俊博は21日の会見で「野党の合流は特別期待もしておりませんし、合流されないほうがいいとも思っておりませんので、どうぞご自由に、という感じですね」とまとまれば脅威だったが、相変わらずの自分ファーストの野党を嗤(わら)った。だが野党が塊を作れなかったことで、今後の政局は野党に厳しい局面が続く。最大の難関は今夏、7月5日投開票の東京都知事選だ。野党各党は既に現職の都知事・小池百合子に対抗馬を野党統一候補として立てることを確認している。

★20日、れいわ新選組代表・山本太郎は会見で都知事選について「れいわ新選組として絡んでいきたい。野党が押し出す候補を応援するのか、形は分からないが東京都の選挙にもれいわとしてしっかり力を貸していきたい」とし、自身の出馬についても「選択肢は排除しない」と改めて発言した。本来、野党に大きな塊ができていれば、れいわもそれに乗ることはできたろうが、それがかなわない今、野党の都知事選統一候補擁立は難航し、結果、山本を立てることに追い込まれていくだろう。なぜなら山本が野党唯一、小池に勝てそうな対抗馬になり得るからだ。だが知事に当選したとしても議会に知事与党となる政党がない都議会の中で山本を孤立させるのでは山本を政界から追い出すようなものだ。「つまり山本は勝てる候補だが、擁立は山本を野党の中で生かすことにはならない」(野党関係者)。これからもこんなハレーションが起きるだろう。子供野党の体たらくは続く。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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