政界地獄耳

指示か忖度か…「石破詣で」が始まった/政界地獄耳

★政界は黒川賭けマージャン騒動で次のフェーズに入ったといえる。法相・森雅子は21日、官邸で首相・安倍晋三と会い進退伺を申し出たが「強く慰留」されたという。今、法相が辞任すれば内閣はガタガタになる。今後は2次補正予算、その後も機械的に行政の決済を裁く機関になっていくだろう。今は強気で攻めなくてはならない時。何とかして緊急事態宣言の緩和策を打ち出し、経済再生の道筋をつけて国民の信頼を獲得したい時期だ。

★ところがそうは甘くない。自民党の空気はもう少し冷たいようだ。ベテラン議員は言う。「佐藤栄作の連続在任期間は2798日だが、8月24日には連続在任期間が2799日となり、首相は単独1位になる。そこが花道かなあ」。さすがに国を立て直すという役割はこの内閣で続けさせるわけにはいかないということか。別の閣僚経験者は「後任人事は首相の残りの任期を務めるという意味で党政調会長・岸田文雄に落ち着かせるだろう。ただ1年だけの暫定内閣の空気が強まりそうだ。岸田の知名度、能力からいっても後継首班には物足りないが、本格内閣はその後の元幹事長・石破茂が有力」という。

★どうも岸田は現政権の傀儡(かいらい)色が強いが1年後の総裁選挙は石破待望論には、今までの自民党とは思えない「国民の中に入る、国民と共に」という空気があるという。それが石破と合うということか。霞が関の官僚が言う。「その話は聞いた。まさかと思ったが、どうやら官僚の石破詣でが始まっているようだ。保険を掛けるという見方もあろうが、各省、官房長クラスが出向いている。今まで石破に見向きもしなかった役所も通い始めたようだ」。どこからか石破にもちゃんとあいさつしておけとの“指示”があったのか、それとも先読みする官僚の忖度(そんたく)か。コロナ禍はコロナ後の政界を大きく塗り替えるか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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