政界地獄耳

中国はトランプ再選大歓迎/政界地獄耳

★コロナ禍が終息する前から世界はコロナ後を模索する。内政の停滞を生む可能性が高いコロナ禍後の不況をかわすため、世界は外交に転じようとする傾向に出るだろう。ことに大統領選挙を控える米国との距離をどう保つかに各国は腐心している模様だ。米トランプ大統領は6月に、G7(先進7カ国首脳会議)をワシントンで開催しようとしたが、首相・安倍晋三以外の参加者から出席に懸念を示され秋に延期したものの、ロシアや韓国、インド、ニュージーランド、ブラジルを加えて拡大会議にすると言い出した。

★米国の中国包囲網策は見え見えで、日本政府も米政府に対して韓国の参加に反対すると伝えるなど、枠組みの変更が各国のハレーションを生んでいる。そんな中、来年11月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の議長国を務める予定のニュージーランド政府は早々と会議をオンラインで行うことを表明した。ピーターズ外相は(コロナ禍により)「各国の要人を迎えるのは現実的でない」とその理由を語った。

★すべてがトランプの思惑通りにはいかないが、中国は香港国家安全維持法を施行し、米国からの内政干渉を強くけん制。一方、ポンペオ米国務長官は米シンクタンク「ジェームスタウン財団」が発表した「中国共産党が少数民族のイスラム教徒に対して不妊手術や中絶の強要、強制的な産児制限を行っている」という内容に「憂慮すべき」と批判を強める。こういった動きを見ていると米中関係は絶望的に見える。が、「現実の外交はそれとは逆だ」と中国外交筋は言う。「中国政府幹部はトランプ再選を大いに望んでいる。民主党のバイデンでは人権問題で米中関係は厳しくなる。ところがトランプは農作物を買ってくれるなら文句は言わないという単純な政治家。人権意識も低い。表ではぎくしゃくして見せるが、中国はトランプ再選大賛成だ」。複雑な外交の海原を日本外交は乗り越えられるか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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