政界地獄耳

女帝・小池百合子の最後の挑戦が始まった/地獄耳

★政界での興味は、選挙上手で抜群の政局勘を持つ都知事・小池百合子がいつその座を明け渡して国政に逃げ込むか、その時にどの党でどういう形で転じるのかが焦点だ。自民党都連との確執は取れず、首相・安倍晋三もさして小池を重要視していない。党内では幹事長・二階俊博だけが小池を擁護する。そんな環境の中、小池は政党と選挙区をどう選ぶか。それも見もののひとつだ。政界は小池のサプライズ政局に翻弄(ほんろう)され、メディアは飛びつき有権者は混乱してきた。女帝・小池百合子の最後の挑戦が始まった。

★都知事選終盤の3日、17年の衆院選で民進党を壊し、小池とともに希望の党を作って野党を壊滅させた国民民主党・前原誠司が日本維新の会推薦の小野泰輔の応援に立った。小池の応援ではないのかと政界で話題になった。「都知事は誰がやっても大変。オリンピックやコロナの対応も大変だと思う」と小池批判もあっさりしたものだったが政界関係者は「ピンときた」という。「元都知事・石原慎太郎の4期目と似ている。小池は次の衆院選で『国政にやり残したことがある』と都知事を放り投げ国政に転じるだろう。石原は当時、後継に副知事・猪瀬直樹を指名、当選させた。小池は今回、小野を副知事に指名するのではないか。熊本県副知事の経験もあるし、何より維新だからだ」。

★つまりこういうことだ。衆院選と都議選はどちらが先になるかわからないが、今、野党は分裂再編の時期に入り、立憲民主党も国民民主党も草刈り場になりかねない。前原はかねて維新と勉強会を進めており、早晩、国民から維新に移るだろう。小池は小野に後継を委ね、来年の都議選で都民ファーストの会を維新に合流させ生き残らせる。維新は労せずして都知事と都議会の会派を持てる。衆院選では自民党が大きく議席を減らし、維新との連立が模索され、小池は労せずして与党に返り咲く-。これなら前原の小野の応援も説明がつく。そんなにうまくいくものかと問うと、先の政界関係者は「これが、とらぬ緑のタヌキの皮算用」とオチをつけた。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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