政界地獄耳

今必要なのは立ち止まる勇気/政界地獄耳

★10日、都知事・小池百合子は会見で都内の新型コロナウイルス感染者数が、新たに243人確認されたと発表した。連日200人を超えても小池は検査数が増えたからと説明をするが本当にそうだろうか。また、死亡者が減り、若者の感染も無症状など軽微で重症者が少ないことを強調する。無論それも1つの側面だろうが、その話を続けると「だから心配ない」というわけではなく、途中から「だから医療崩壊はしない」に話がすり替わる。

★同日、官房長官・菅義偉も「感染防止策をしっかりとった上で、本日(10日)からイベントなどの制限緩和を実施する考えに変わりはない」とし、感染拡大防止対策をとりながら社会経済活動との両立を目指していく考えを改めて説明した。首相・安倍晋三は9日に「4月と比べれば重症者は大きく減っており、感染者の多くは20代30代で、医療提供体制は逼迫(ひっぱく)した状況ではないと承知しております。同時に高い緊張感を持って感染状況を注視しています」。

★高い緊張感とは何か、政治部の記者は聞かないのだろうか。それは何もしないで様子を見る無策ではないのか。9日、WHO(世界保健機関)は新たなガイドラインを発表した。「主に屋内で混雑し換気が不十分な場所で新型コロナウイルスが空気感染することは無視できない」と今まで世界の研究者らが指摘してきた空気感染を初めて認めた。組織が大きくなればなるほど、1度決めたことを変えられない。今政府は22日から始まる1・7兆円かけた「Go To キャンペーン」で外食や国内旅行を推奨しようとしている。そこに水を差すことはできないということか。政治に必要なことは立ち止まる勇気ではないのか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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