政界地獄耳

次期首相候補が育たないのはナゼか/政界地獄耳

★「政治家になったらやはり将来は首相を目指したい」。与野党にかかわらず初当選後にはこんな言葉が飛び交う。無論、途中で専門が見つかる、連続当選がままならないなど、さまざまなふるいにかけられ当選8回、9回ともなれば、与党にいれば誰でも首相の座に就けそうな気がする。与党内では国対で汗をどのくらいかいたか、政調でどのくらい勉強したか、閣僚経験はどのくらいか、主要閣僚はこなしたか、派閥でのポジションや集金力なども加味され、首相候補が絞られていく。

★どうやら首相・安倍晋三は4選をあきらめ、自民党政調会長・岸田文雄を意中の人としていたが、煮え切らない岸田に国民の認知度や人気もあがらず、元幹事長・石破茂に政権の座を渡したくないから、副総理兼財務相で首相経験のある麻生太郎が党内を走り回り、官房長官・菅義偉のリリーフ説やら麻生の選挙管理内閣説まで流れる。ただ、麻生、菅、岸田、石破以外の首相候補の名前はどのメディアからも出てこない。この段階で自民党の権力争いは政権中枢が決めることで、総裁選挙などはセレモニーにすぎないことを自ら認めているようなものだ。

★そもそもなぜ石破に政権を渡したくないのかを解説してくれるメディアがない。岸田、菅、麻生でなぜすんなりまとまらないのかも誰もわからない。これだけ長期政権でいながら首相が永遠に首相であるとでも自民党の人たちは信じていたのだろうか。当然、長期政権が次期首相候補を育ててきているものだと思うかもしれないが、そんなこと何もやっていない。閣僚の主要ポストを変えずにポストを与えなかったからだ。「次の総選挙の顔にならないからあの人ではだめだ」と党内から聞こえてくる場合がある。当然だろう、石破以外は政権中枢にいてこの半年間のコロナ禍の中、まともな政策、国民から喜ばれる政策、優先すべき政策など1つも出てこず、自画自賛のものばかりだからだ。このお粗末な顔ぶれが次を決めようというのだからお粗末な結果になることは必至だろう。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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