政界地獄耳

決定権は誰?…解散は「党の総意」/政界地獄耳

★想定より早く首相・菅義偉には試練が待ち受ける。いずれも清和会(細田派)が仕掛けたといえるが、21日、元防衛相・稲田朋美がテレビで「安倍政権最後は3名でしたけど、さらに少なくなったなという印象。閣僚や党の役職に女性を登用してほしいと申し入れていたんですけれども、なかなか響いてなかったのかな、少ないなという印象」と政権の女性閣僚などへの登用の少なさを批判した。

★畳みかけるように同日、党政調会長・下村博文もテレビで衆院解散・総選挙について「年内にあってもおかしくない」と発言。「自民党国会議員のほぼ総意、即解散(すべきだ)」との見方を示した。また「自民党の支持率も上がっている。自民党の若手はほぼ全員が早く選挙をやってもらいたい」とした。おかしな話だ。安倍政権で党3役が首相が発言する前に「解散すべき」などと口に出したことがあるだろうか。誰もが解散は首相の専権事項として解散すべきなどとは軽々に口にしない。それを政権発足から数日で解散は党の総意だと言いだす。こんな政権見たことがない。「やはり首相に決定権はないのだなと感じた」(野党幹部)。

★野党は早期の解散に反対だ。「政権の所信も聞かず、何の仕事もやらず、国民に信を問うのは筋違い」(野党国対筋)と国会での論戦ありきとする。「『勝てる時にやる』のは当然のこと。携帯電話の値下げなど国民の関心が高く、支持率の高い時に選挙を仕掛けるのはどんなときにも正しい判断」とは自民党選対筋。「首相の一言があれば、解散になる。今は解散の機運を高めて外堀を埋める時期」と続ける。このように絶えず官邸は党から包囲されていくのか。それを首相はどうかわしていくのか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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