政界地獄耳

政策良くても“不人気”な石破元幹事長/政界地獄耳

★9月の自民党総裁選で惨敗した元幹事長・石破茂が自らの派閥の会長を辞任する意向を示した。派閥の仲間たちも突然の発言に戸惑っている。相変わらず石破らしい対応だが、党内の議員にはあまり人気がなく、地方の党員や国民の方が自民党議員よりもずっと石破を評価している。何しろ総裁選に出馬しても派閥に入りたいという議員が1人もいないことから、その不人気ぶりがうかがえる。

★ある議員は今年の夏、地元が豪雨災害で被害を受けた。関係省庁、党が迅速に動き支援策や補助金などの対策がまとまりつつある時、石破から被災への見舞いとともに「自分にできることがあるか。言ってくれれば何でもする」といった電話をもらったという。驚いたのはそんなことを今まで1度もしてこなかった石破の変容ぶりだという。「被災した地域の議員には同僚、先輩、ベテランと派閥や系列にかかわらずお見舞いの声をかけてもらうことが多いし、自分もそうしてきた。石破はそういうことをしない人で、自民党の良きところがない人だと思っていただけに驚いた」。

★総裁選の最中にも、派閥のメンバーたちはそれぞれに石破に対して振り付けしたり、この後の討論会ではここを強調してとか、経済政策を分かりやすくなどとアドバイスしてきたが、政策に格段の自信があるのか、一切無視したという。「派閥の仲間を信頼していないのか」と疑いたくもなると、こぼす議員もいる。だがそんな扱いを受けてまでも「政策はピカイチ。じっくり話すと石破の魅力は分かってもらえるはず」とひるまない。それが伝わらないのも残念だが、21日、都内で連合事務局長・相原康伸、国民民主党衆院議員・前原誠司と臨んだパネルディスカッションでは、今の日本の課題を的確に認識し、地方任せの政治を進めるべきと説いていた。日本の政治は石破を生かしきれないままでいいのか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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