政界地獄耳

薄っぺらい所信表明と「論外」な野党幹部/地獄耳

★いよいよ国会論戦がスタートした。菅政権が発足してから間もなく1カ月半になるが、所信表明でやっと首相・菅義偉の国家ビジョンが示されるのかと思えば、就任以来話してきたことの焼き直し。御用メディアは来年の施政方針演説で語るのだと妙な理解を示すが首相になって以来、まともな会見もせず問題が山積した中で、なお大事なことは次の国会で言うという首相の態度に納得がいく国民がどのくらいいるだろうか。所信表明の薄っぺらさは自民党内でも評判が悪い。

★そこで攻勢をかけるのが150人規模の大所帯になった立憲民主党を中心とする野党陣営だが26日、立憲民主党国対委員長・安住淳が党会合で、衆院の野党統一会派からの国民民主党離脱に言及する中で、党分裂に直面している社民党を念頭に「もう1つ消えれば本格的にわが党の時代が来るんじゃないか」と発言。昨年秋の臨時国会で結成した統一会派名が「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」だったことを挙げ「ものすごく長い名前だった」「ようやく立憲民主党・無所属の会ぐらいになる」と述べ、直後に「余計なこと言ってすみません」と謝罪した。

★解党・分裂騒動で複雑な社民党でなくとも、公党幹部の失礼な発言には不快感を持つ。ある野党幹部は「調子に乗っている」と怒りを示す。安住は野党の中でも力のある議員だ。だが野党共闘は制覇して出来上がるものではなく、それぞれを尊重しながら信頼し合うものだ。今年2月、同党の衆議院会派の控室ドアの廊下側に新聞各社の4日付紙面のコピーが張り出された。コピーには蛍光ペンの書き込みがあり、東京新聞は「100点」、朝日新聞と毎日新聞は「花丸」、日本経済新聞は「出入り禁止、くず」、産経新聞は「論外」と書き込まれて掲示された。安住の仕業だった。今回の出来事は党幹事長・福山哲郎が謝罪して納めたが「くず」で安住を幹事長に推す声もあるが「論外」だ。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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