政界地獄耳

菅政権歴史に残るコロナ無策、愚策/政界地獄耳

★「冬に向けてはコロナに加え、インフルエンザなどの流行で発熱患者の増加が予想されます。医療の負担軽減のため、重症化リスクの高い方々に重点を置いた対策へ今から転換する必要があります。まずは検査能力を抜本的に拡充することです。冬までにインフルエンザとの同時検査が可能となるよう、1日20万件の検査体制を目指します。特に重症化リスクの高い方がおられる高齢者施設や病院では、地域の感染状況などを考慮し、職員の皆さんに対して定期的に一斉検査を行うようにし、高齢者や基礎疾患のある方々への集団感染を防止します」

★これは8月28日の前首相・安倍晋三の辞任会見での発言だ。その後、菅義偉政権が引き継いだコロナ対策で実現しているとは聞いていない。それどころか首相と自民党幹事長・二階俊博が進めたGo To キャンペーンの旅行や飲食喚起で国民が安心して「マスクと消毒していれば旅行も飲食も国が推奨している」と緩み、現在のコロナ禍の状況を作り出した。しかし「Go To トラベル」事業と国内の新型コロナウイルスの感染再拡大は「直結していない」(25日、衆院予算委員会の首相答弁)「感染拡大の要因となっていないということを、現時点で(政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会から)コメントをいただいている」(25日、参院予算委員会の国交相・赤羽一嘉答弁)と詭弁(きべん)を言い続けた。

★英、仏、独など欧州各国は今月から相次いでロックダウン(都市封鎖)を敷いた。期間は12月の3日前後までに限定している国が多い。野党幹部が言う。「クリスマス商戦前までにできる限り抑え込んでコロナ対策を行い、12月のクリスマス商戦とクリスマスホリデーで今度は徹底的に経済を活性化させるメリハリある明確な戦略と目標設定が政府にあるからだ」。無策のまま税金を投じて、出口戦略もこうなったらこうするというプランBやCを持たずに突入した失策は不作為にほかならず、歴史に残る愚策といえる。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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