政界地獄耳

責任政党・組織委・官僚にはびこる理屈/政界地獄耳

★責任政党が聞いてあきれる。自民党は鶏卵汚職事件で元農相が議員辞職。補選に候補者を立てない。それを国民の方で見識と忖度(そんたく)する必要はない。政治とカネの汚職が後を絶たないことの浄化作用が党内で働いているわけでもない。1回休みとしただけだ。広島での選挙買収を企てた夫妻には党からの資金が原資と分かったが、それを申し訳なく思ったわけでもない。幹事長からして「(政権に)あまりケチをつけるものじゃない」と政権批判すら認めず、汚職があろうが自民党に黙ってついてくれば悪いようにしないと言いたげだ。

★外食の自粛を国民に訴える責任政党はその禁を破る議員が続出。銀座や麻布のクラブに繰り出すもすぐ発覚。離党者が既に4人いる。永田町ではあと1人離党すれば会派が作れるという冗談が飛び交う。この責任政党には政治倫理審査会とコンプライアンス室という機関が幹事長の下にあるが、機能しているのを聞いたことがない。それは役所でも同じだ。総務省幹部の違法で異常な接待について総務相・武田良太は全貌について調査中としながら「放送行政がゆがめられたことは全くない」と胸を張る。既に国会で虚偽答弁を続けた幹部たちは音声データが公表されると一転、罪を認め始めていることを考えれば、すべてが解明されているとは言い難く何が調査なのかを疑う。

★東京五輪・パラリンピック組織委員会会長・橋本聖子は半年間の組織委会長の後の食いぶちのことを考えてか議員辞職をしない。組織委員会はIOCが兼務を認めているというが、前会長・森喜朗の発言もIOCは「謝罪したからもう咎(とが)めぬ」と言っていたものの、世論の批判が収まらずスポンサーも難色を示した途端、態度を翻した。「偉い人がいいと言ったから大丈夫」という理屈が官僚にも組織委員会にも責任政党にもはびこる。対して偉くない人にすがり自分で決められないようでは「自助」ではない。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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