政界地獄耳

東京五輪開催へワクチン以上の策とは?/政界地獄耳

★19日の衆院予算委員会で立憲民主党・玄葉光一郎が質問に立った。「五輪開催時に世界からくるアスリートたちはワクチンを接種してくるのか」と問うと、五輪相・丸川珠代は「IOCはワクチン接種を推奨しているが、国によってアスリートの接種順位が異なっている。国の判断だ。現状ではそれぞれの国で確保されたワクチンの承認の条件もおそらく異なるだろう」。玄葉は「もしワクチンを打ってこなかった方がいた場合は2週間隔離するなどの防護措置はあるのか」と問うと丸川は「接種をしてこなくても安心・安全な大会を遂行できるよう、さまざまな措置を取らせていただく」。

★そんな方法は一体あるのか。どんなものなのかぜひ伺いたい。五輪相がこの時期に安心・安全な措置をする大会とはどんなものなのか。大変興味深い。玄葉は続ける。「中国のワクチン外交などが目立つ中で、途上国に対してしっかり接種できる体制を整えるというのは、私たちにとっても自分事だと考えなければいけない。そのためにCOVAXという枠組みがある。国家の経済力にかかわらずワクチンへの平等なアクセスを確保する。日本は既に個別契約でワクチンを確保しているから日本人分は確保してある。COVAXにお願いしていた分は不要になる可能性もある。それらを途上国に回していくなど含めやっていくべきではないか」。COVAXは、世界保健機関(WHO)などのワクチンの世界共同購入・配分計画だ。

★元外相らしい質問だが、丸川はワクチンより安全・安心な策があるようだし、ワクチン担当相・河野太郎はワクチン接種のスケジュールを発表しては訂正と謝罪を繰り返し、国内の接種のめどすら立っていない。河野は24日の衆院内閣委員会で、ワクチンの接種計画について「今夏の東京五輪・パラリンピックは考慮せずに策定する」と明言した。五輪開催があったとしても国民にワクチンが接種されるのは年内に間に合うかどうかだろう。既に世界70を超える国や地域で接種が始まっている中、日本の遅れは異常だ。COVAXに配給を頼むのは日本かもしれない。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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