政界地獄耳

解散・総選挙、政局を見すぎると五輪が見えなくなる/政界地獄耳

★15日、自民党幹事長・二階俊博が東京オリンピック・パラリンピックの開催について「これ以上とても無理だということだったら、これはもうスパッとやめなきゃいけない」と五輪中止に言及したことで自民党内で二階を唯一頼りにしている都知事・小池百合子の発言が注目されるが、政界は五輪がどういう形であれ実現することを前提に、解散・総選挙の時期を五輪前か五輪後と考えて動いており、この議論が自民党幹事長から発せられる意味は大きい。ただ、この二階発言をただのアドバルーンとみるか、首相・菅義偉の訪米に合わせて発言し、首相のはしごを外すことが目的かなど政界は臆測が飛び交う。

★その中で自民党ベテラン議員が言う。「自民党内は今複雑な構造の中にいる。菅で勝てるのかという不安はこの半年の政権の仕事ぶりや政権の態度、ことに首相の物腰などのイメージによるところが大きい。4回生までの安倍チルドレンは言葉足らずで国民に誤解を与えることのオンパレードがリーダーにふさわしくないと思っている。学術会議問題から始まり長男の別人格発言、最近の処理水放出決定など、いずれも丁寧に説明すれば国民の理解も得られそうだが、それができない。ところが五輪の前だろうが秋だろうがいつ選挙をやっても多分選挙結果はそう変わらないだろう。自民党も弱いところは負けるし、野党の強いところは勝てない。それは時期を選ばない」。

★なるほど勝つ議員は勝つべくして勝ち、負ける議員はいつが選挙でも負けるということだ。選挙まで半年を切ればいつ解散してもおかしくはなく、不断の努力が票に表れるのならば選挙の時期に勝敗は左右されないということだ。政局だけでものを見ていると五輪の意味が見えなくなってしまうことへの戒めでもある。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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