政界地獄耳

【政界地獄耳】政府要人の軽すぎる発言は災いになる

★最近の新聞は「高齢者ワクチン接種本格化」「7月までに供給めど」「大阪の接種会場、最大1日5000人 政府、東京は1万人にめど」「『1日100万回の接種目標』 首相、会見で加速化強調」「丸川五輪相、IOCのワクチン提供を歓迎」「河野担当相、ワクチン職場接種を検討 経済界と協議へ」といずれも、計画や検討事項、可能性を書くばかりだ。政府や閣僚、首相の発言はそれなりの意味も重みもあるはずだが、その発言も、できないことが多く、簡単に仮定の話をぺらぺらと話しているようで、政府要人の発言が軽すぎる。

★政府の発表や発言は国民の生活を左右し、国民に安心、安全を与える場合もあるが、首相・菅義偉をはじめ閣僚らは「安心・安全」を五輪開催の形容詞には使うものの、できもしない「めど」や「加速・本格化」などを多用させて期待だけ持たせる。政府の発表や計画、工程表に即せば、五輪開催前に国民へのワクチン接種は終わっていたはずだが、こういう皮算用を政治は使いたがる。

★五輪も当初の予算が既に何倍にも膨れ上がったり、巨大プロジェクトが当初の計画予算より大幅に膨らむなどの報道はこの数十年、幾度も国民は目の当たりにしている。つまり政府の発言は綿密なものよりも腰だめの適当な予想値でしかなく、それが根拠なく語られても悪びれなくなった。内閣官房参与・高橋洋一はツイッターに「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」と書き批判を浴びた。首相に助言する役割の高橋の発言は国会でも野党に追及されたが、首相は「個人の主張について答弁することは控えるべきだろう」とはねつけた。官房長官・加藤勝信も発言を「非常勤の職、個人としての発言に対し、政府としてコメントすることは控える」と逃げた。しかしここはいずれも「個人としても政府見解とは異なる」というべきで、巧みに人事を操る首相も更迭しなかったことは禍根を残すはずだ。適当な発言は災いだ。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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