政界地獄耳

【政界地獄耳】沖縄振興の意見書すら受け入れぬ自民党

★首相・岸田文雄は14、15日の日程で沖縄県を訪問し、15日に行われる沖縄の日本復帰50年記念式典に出席する。それに合わせた国会決議の13日の参院本会議での採決を見送った。決議は沖縄振興への決意を示し、基地負担軽減に努めるよう政府に要請する内容。直前に自民党が「日米地位協定の見直しの検討」に向けた努力を求めた記述に反発したためだ。

★一方、13日、沖縄県議会は臨時会で「沖縄の諸課題を解決し、真に平和で豊かな沖縄県を目指す本土復帰50年に関する意見書・決議」を全会一致で可決した。「国際社会においては戦争の惨禍が繰り返され、県民が願う世界の恒久平和は実現されていない。本県はさきの大戦や米国の統治による社会的損失と負荷が大きい中、国による5次にわたる沖縄振興策により社会資本が整備され県民生活は向上したものの、いまだ県民所得は全国平均の7割程度に低迷し、子どもの貧困問題や脆弱(ぜいじゃく)な産業構造、依存型経済からの脱却など克服すべき課題が多く残されている。加えて国土面積の0・6%の沖縄に70・3%の米軍専用施設が集中し、真に平和で豊かな県民生活の実現は達成されていない。政府に対しては、普天間飛行場の早期閉鎖と早期返還、米軍専用施設の大幅な整理縮小、日米地位協定の抜本的改定を求める」との内容は抜粋ながら格調高い。今の自民党はこの意見書程度も受け入れられないのかと思うと情けない。

★沖縄県の米軍の負担は基地だけではない。今なお推定約1950トンともいわれる不発弾が残されている。那覇市都心の幹線道路や住宅地の地中などで不発弾が見つかると、避難命令や道路封鎖など市民生活に支障をきたすが、もし爆発したらと考えると恐ろしい。「本土並み復帰」と思っているのは県外の人たちばかりではないか。復帰の意味と質が問われる。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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