政界地獄耳

【政界地獄耳】お手並み拝見、立憲民主党と日本維新の会の共闘 国民を味方につけられるか

★参院選挙が終わってから3カ月、自民党はやっと10月3日召集、12月10日までの69日間の臨時国会の開会を決めた。物価高を自民党や立憲民主党など多くの政党が掲げるも、それから3カ月後の国会審議でどんな議論が繰り広げられるのか。自民党は旧統一教会問題を抱え、多難な船出になるが、岸田政権も1年となり野党も容赦しない。

★ことに注目されるのが犬猿の仲ともいえる立憲民主党と日本維新の会の共闘宣言だ。参院選挙惨敗を受け幹事長に岡田克也を据え、国対委員長・安住淳を返り咲かせて提案型野党から攻撃野党に転じて薄氷の野党第1党を強固にしたい立憲と、3代目日本維新の会代表に選出されたばかりの馬場伸幸は今までの与党とも野党ともつかない“ゆ党”状態から、明快な反自民、反公明路線を敷き、与党と対決する野党宣言に力を入れる。また国会の共闘から地域政党の印象から全国政党へと、いわばニュー野党の売り出し戦略といえる。無論、この関係が選挙協力につながるようなことになると、共産党が反発するし、組合に否定的な連合も騒ぐだろう。野党第1党、2党のタッグの意味はそんなところだろう。

★緊張感をもって国会に臨むという両党の思惑に反して28日、日本維新の母体である地域政党「大阪維新の会」大阪府議団は両党の共闘に反対することを決めた。半年後には統一地方選を控えるならなおさらだ。都構想など維新の政策にケチをつけてきた立憲と共闘は納得できないだろう。言い分は立憲にもある。大阪ではことごとく維新候補につぶされてきた立憲にしても面白くない。元々落選議員に冷たいのは民主党時代からの伝統で、それで離反し今では維新で議員になっている者も少なくない。それでもそれを乗り越えないと両党に未来はない。あとはどんな仕掛けで国民を味方につけられるか、お手並み拝見だ。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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