政界地獄耳

【政界地獄耳】宮台事件は言論を暴力で封じるテロ 自由に発言できなくなれば社会は萎縮

★11月29日午後4時半ごろ、東京・八王子市の東京都立大学南大沢キャンパスで、同大教授で社会学者・宮台真司が男に刃物で切り付けられ、男は現在も逃走している。報道を総合すると男は20代から30代で、身長180センチくらい、髪は短く、がっちりとした体格で、黒っぽいジャンパーに黒いズボン姿。大学構内で宮台を待ち伏せしていた可能性が高いが宮台は「面識がない」という男に後ろから頭を殴られ、その後、刃物で首などを複数回切られた模様だ。

★宮台とビデオニュースで番組を長年続けているビデオジャーナリスト・神保哲生のツイッターによれば「宮台さんの件で病院に来ています。命に別条がないことは病院で確認していますが、方々を切られているので処置に時間がかかっています」「宮台さんは先程、手術が無事終わり、今ご家族が面会しています。たくさん縫わなければならず4時間の大変な手術だったようですが、今は意識もありご家族とは普通に会話をされています」と命に別条はないものの夕暮れの大学構内、刃物で切り付けながら逃走した犯人を警視庁は殺人未遂容疑で行方を追っている。

★事件が怨恨(えんこん)なのか言論封殺なのか動機は分からないが、アカデミズムに対しての凶行は言論を暴力で封じるという意味では7月の元首相・安倍晋三襲撃以来のテロリズムといえる。言論界やメディアで宮台と関わりのある人たちの心配する声もさることながら、犯人が逃走していることが不安を駆り立てる。事件の背景は不明でも自由に発言が出来なくなることのマイナスは社会を萎縮させ、結果的に暴力が発言を封じることにほかならず、言論弾圧は政治的背景ばかりで起こるわけではないものの、それが政治的に利用される場合も、わが国100年の言論封殺の幾多の事件の歴史が証明している。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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