政界地獄耳

【政界地獄耳】岸田文雄が防衛費増強に励む理由 軍事マーケットがこれからの生きる道

★24日のロイター電は、ウクライナ侵攻を受けた対ロ制裁の影響を受け、ドイツ東欧経済関係委員会の暫定データではドイツの対ロシア輸出は22年に前年比45%減少し、146億ユーロ(約159億ドル)となった。03年以来の水準に落ち込んだ。欧州経済は限界だろう。第2次大戦の教訓を生かし、欧州を戦場にしてはいけないと、ウクライナへの武器供与も慎重にしてきたドイツ政府はここにきて主力戦車「レオパルト2」を供与する方針を決めた。

★既にフランスは昨年来、自走榴弾(りゅうだん)砲「カエサル」をウクライナに提供してきたが、今回軽戦車「AMX-10 RC」、歩兵戦闘車「マルダー」の投入を決定。欧州各国はロシアから交戦国とみなされるのを嫌い武器供与も最小限にしてきたが、政策転換が始まったといえる。英国も主力戦車「チャレンジャー2」の供与を決め、米国も主力戦車「エイブラムス」を供与することになり、ロシアとウクライナは地上戦が主戦場になりつつある。これでNATOとロシアの直接対峙(たいじ)が確実になる。そういえば首相・岸田文雄までもが広島サミットを控え、欧州歴訪をしてきたばかりだが、ウクライナのゼレンスキー大統領から訪問の招へいを受けており、当時も模索したウクライナ訪問を再考している。25日の衆院本会議の代表質問では「現時点で何ら決まってはいないが、諸般の状況を踏まえて検討する」と思わせぶりだ。

★外交筋が言う。「開戦から1年を目前に終戦の絵が描けてきたのではないか。米国や欧州も終戦に関与したいのでミサイルではなく地上兵器である戦車の投入を計画しているのだろう。オンザブーツだよ。その時に誰がウクライナにいたかだ。極めて短期的な措置になるのではないか。岸田が現地入りしたいのも同じ理由だろう。復興関与も大きなマーケットを生むからね」。岸田が防衛費増強に励むのも軍事マーケットがこれからの生きる道になるからか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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