政界地獄耳

【政界地獄耳】自民から噴き出した“岸田批判”

★国会が始まると同時に岸田派や首相・岸田文雄への批判が党内から噴き出した。前首相・菅義偉が派閥会長を続けながら首相に就いているのは「派閥政治を引きずっているというメッセージになって、国民の見る目は厳しくなる」と月刊誌で批判したことを受け、26日の宏池会(岸田派)の会合を首相は欠席した。だが派閥の事務総長を務める根本匠は「派閥というが派閥も政策集団に変わった。その最たるものが宏池会だ」と菅発言に反発してみせた。

★別の派閥の中堅議員は「根本の説明が今の宏池会の限界。人材不足だから岸田が続けるしかないということだろう」と突き放す。宏池会で岸田の側近、官房副長官・木原誠二は22日、テレビで「自民党は、左から右からいろいろな考えを持った国民政党だから、政策集団(派閥)の声を聞くというのも、国民の声を聞く一環の1つだとは思う」「もし疑念を持たれるようなことがあるとすれば、一定程度自らを律していくことが必要だ」と精いっぱいの擁護をしたが、こちらも反論のレベルではなかった。ただ菅の言う派閥を離脱しないと弊害があるか否かといえば、派閥を持たない菅には分からないだろうし、総裁選は派閥の力がものをいうのも事実。党内でも大きな波紋にはなっていない。

★ただ、首相秘書官を務める息子が欧米歴訪に随行し、大使館の公用車でパリやロンドンを観光。さらにカナダのトルドー首相に記念撮影を申し込み、周囲のひんしゅくを買ったと週刊新潮が伝えた。これでは税金と首相秘書官という肩書で観光旅行したと言われても仕方がない。26日の会見で官房副長官・磯崎仁彦は「必要とされる範囲内での運用を行っている」と説明する一方「指摘も踏まえ具体的に点検したい」と調査に追い込まれた。当然官邸では早い幕引きをしたいだろうし、リークした犯人捜しと公務だったという面白い言い訳を考えることになるだろう。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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