政界地獄耳

【政界地獄耳】国より省を背負っている感が強い官僚

★予算委員会では役所のレクを自分の言葉にしながら野党の追及をかわす首相・岸田文雄だが、執拗(しつよう)な質問にイライラしながらも抑えて、委員会はつつがなく進んでいる。ことに敵基地攻撃や子育てなど野党の多岐にわたる質問や、さまざまな矢にも繰り返し答弁するさまは自分では丁寧に答えていると思っているだろうが、冷静に見れば同じことの繰り返しだ。「新聞やテレビはそれを整理して伝えるので手短な答弁に聞こえるが、同じことしか答えない首相答弁に、どこまでわかっているのか計りにくい」とある野党幹部は言う。

★首相答弁を想定問答として用意する霞が関の官僚たち。日本を代表するエリート集団であり、明治の官僚制度から脈々と日本を動かしてきたという自負を持つ。また国民も霞が関の各省の幹部こそが日本の英知と思ってきたが、最近本当にそうだろうかという官僚の不祥事なども目立つ。頭はいいが人格的には問題なのか。

★ある外交筋は日本の官僚について米国の評価を解説する。「最近、日本の官僚が手ごわいと感じない」と彼らは言う。以前よりもしゃくし定規官僚は減ったが、国や国民を背負っているというより省を背負っているという感じは同じだ。日本の官僚は東大を頂点とする優秀な大学から選抜されているというが、世界大学ランキングではトップ14位までを米国、英国が独占し、16位に北京大学、東大は35位、京大は61位(高校生新聞 世界大学ランキング22年)。それもほとんどが学士だ。米国では政策立案にかかわる分野で言えば学士は高卒の扱いに等しく、修士が当たり前、政策立案者は「Dr.」(博士号)「Ph.D.」(大学院博士課程で学術研究を修めたものに与えられる学位)がほとんど。これに加え弁護士免許を持つ者が交渉担当になる場合もある。日本の官僚エリート万能時代は終わっている。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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